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バリエーション豊かな揚げ物おにぎり「蒲田屋」|食べると元気が出るおにぎり屋さん③

バリエーション豊かな揚げ物おにぎり「蒲田屋」|食べると元気が出るおにぎり屋さん③

十条にある「蒲田屋」には、揚げ物屋と言っていいほどバリエーション豊かな揚げ物おにぎりが並んでいます。ジューシーな具を使ったおにぎりはまるで小さな定食のようです。

まるで小さな定食!

蒲田屋
「蒲田屋」のおにぎりは小ぶりだから様々な種類を食べられる。揚げ物系も良いが、“なすみそ”の濃厚な味噌の甘味とジューシーな茄子との相性の良さは目を見張るものがある。

店を覗いた瞬間、圧倒される。十条にある「蒲田屋」は常時40種類超のおにぎりが並ぶ、見ていて楽しいおにぎり屋さんだ。具は鮭、梅などの超トラッド系から「ここ揚げ物屋さん?」と思えるほど豊富な揚げ物おにぎりまで、毎日通っても飽きないバリエーションだ。
基本材料も常に吟味。時期ごとに旨い新米を仕入れ、海苔は瀬戸内産。これを二代目店主・添野勝利さんたちは型も使わずに同じ大きさに握る。無駄な動きはないのに躍動する握り姿は、ダンサー・イン・ザ・キッチンである。
とにかく、どれもご飯と具の相性が抜群。“真アジのフライ”は、衣がカリカリ、身はしっとりとしたアジに、ソース代わりの梅肉の酸味が絶妙。これに絶後の握り加減のご飯と海苔が相まって、まるで最高に旨い小さな定食のようなバランスのよさだ。それはご飯、海苔、具という三者が織り成すおにぎりの基本を押さえつつ、具で攻めているからこその妙技だ。

厨房
次々とベストな量のご飯で揚げ物を包み込んでいく。揚げ物の山がおにぎりの山へと変身を遂げていく様は壮観である。
外観
40種超のおにぎりは110円が中心。3個は軽く食べられる味と量とお値段。

店舗情報店舗情報

蒲田屋
  • 【住所】東京都北区上十条3-29-15
  • 【電話番号】03-3906-2044
  • 【営業時間】6:30~16:00(売り切れ仕舞い)
  • 【定休日】月曜
  • 【アクセス】JR「十条駅」より5分

文:加藤ジャンプ 写真:牧田健太郎

※この記事の内容はdancyu2018年11月号に掲載したものです。

加藤 ジャンプ

加藤 ジャンプ (文筆家)

1971年東京生まれ。横浜と東南アジア育ち。一橋大学卒業後、出版社勤務をへてフリー。酒と酒場、肴と酔っ払いを愛し、コの字酒場探検をつづける。著書に「コの字酒場はワンダーランド」(六耀社)などがある。テレビ「二軒目どうする?」(テレビ東京系)のおつまみさんとしても出演。ときどき絵も描く。