明日、どこに食べに行こう?
美しくやさしいホルモンの新世界「韓灯(ハンドゥン)」|本気で旨い東京焼肉⑦

美しくやさしいホルモンの新世界「韓灯(ハンドゥン)」|本気で旨い東京焼肉⑦

月島の「韓灯(ハンドゥン)」は徹底した丁寧な仕事をするお店。隅々までしっかり臭み取りや掃除をしたホルモンは、洗練された味わいです。

鮨種を思わせる端正な佇まい

1987年、母・金順貞(スンジョン)さんが北九州市小倉で創業し、15年前に月島へ。現在は息子の英徳(ヨントク)さんが料理全般を担当。
肉厚なシマチョウは、やや焦げ目がつくくらいに焼くと旨味がマックスに。大分産のかぼす果汁(100円)で味わうのが韓灯流。

見よ、この塩ホルモンの盛りを!
端正な佇まいは鮨種を思わせるほど。センマイは一番いい真ん中だけを切り出した特大サイズ。シマチョウ、マルチョウも「ぷるんっ」という吹き出しをつけたくなるほど艶やかだ。
果物の甘味が生きた自家製ダレで食べるカルビやロース、焼き物同様に化学調味料を使わずつくる一品料理など、食べるべきものは多いが、やはり塩ホルモンは外せない。塩ダレではなく軽い塩、胡椒だけで供するのは、鮮度と処理への自信の証。切り置きはせず、注文後に一枚ずつカット。近頃の高級焼肉店が謳い文句にする仕事を、小倉で創業した三十余年前から続けてきた。
かりっと焼いたシマチョウは、程よい噛み心地と溶け出す脂のクリアさにしびれ、臭みも雑味もないセンマイの軽やかさは山菜のごとし。焼肉屋の「仕事」を味わうならばやっぱりホルモン。焼肉好きに愛され続ける「韓灯」を訪れるたび、しみじみ思う。

塩ホルモン盛り合わせ1,980円。全8品、内容は時季替わり。シマチョウは薄力粉でしっかり臭みを取り、帯状になっているセンマイはひだの間まで丁寧に掃除する。
ここがニクい!
韓国料理店なので海のチヂミ2,650円(小1,580円)も必ず食べてほしい。表面は香ばしく、中はふわふわでとにかく軽く、海老や小柱の風味もしっかり。そしてやはり美しい。
2005年1月開店。サイドメニューはチャプチェ1,360円、タッカンマリ(5羽限定、要予約)5,400円など。ビールは690円、マッコリ400ml 1,500円~。

店舗情報店舗情報

韓灯(ハンドゥン)
  • 【住所】東京都中央区月島2‐8‐12 AS ONE月島地下1階
  • 【電話番号】03‐3536‐6635
  • 【営業時間】17:30~23:00(L.O.)
  • 【定休日】月曜
  • 【アクセス】東京メトロ・都営大江戸線「月島駅」より1分

文:佐々木ケイ 写真:徳山喜行

※この記事の内容はdancyu2017年10月号に掲載したものです。