編集長・植野の食日記~日々こんなものを食べています~
TOKYO FM「食べるラジオ」でナポリタンのこと|編集長・植野の食日記 7月18日(土)

TOKYO FM「食べるラジオ」でナポリタンのこと|編集長・植野の食日記 7月18日(土)

植野がナビゲートするTOKYO FMの番組「食べるラジオ」(毎週土曜19時~19時30分)では、毎回、料理や食材をテーマに“美味しい話”を繰り広げるほか、この「食日記」でも番組内容と関連した話を紹介します。7月18日の放送では、ナポリタンについて熱く語りました。

ナポリタンはおいし過ぎてはいけない

ナポリタンが好きです。ポテサラ、ハムカツと並んで、品書きにあると頼んでしまう“これがあると弱いんだよな料理”です。この三つの料理には共通しているのは、美味し過ぎてはいけない、ということ。ポテサラも高級じゃがいもを使って、自家製バターと上等なベーコンなどを入れれば美味しくなります。ハムカツも厚切りのロースハムをいいパン粉で揚げれば旨いにきまっています。しかし、それは違うような気がします。あくまでも、普通に気軽に美味しいからこその凄さがあると思っています。

ナポリタンもそう。ケチャップで炒めたものがいいんです。発祥と言われる横浜ニューグランドホテルのナポリタンはトマトソースですが、第二次世界大戦後の日本ではトマト缶などが手に入りにくかったため、ケチャップで代用したのがナポリタンのルーツ。トマトソースを使うとイタリアンになってしまいますが、ケチャップを使うことでニッポンのナポリタンになるのです。

ナポリタン好き、と言うと、どの店のものが一番好きですか?と聞かれますが、ひとつだけ挙げるのは無理です。それぞれのナポリタンに個性があるから。
たとえば、ニューグランドホテル出身の料理人が開いた横浜・桜木町の「センターグリル」は昔ながらの銀色の皿にサラダと一緒に美しく盛られています。2.2mmという極太のスパゲッティを茹でてからひと晩置いて炒めます。これによってプリッとした滑らかな食感とケチャップ味が染み込むのです。

喫茶店ナポリタンでいえば、東京・神保町の「さぼうる2」がいいですね。山のように盛られたボリュームが特徴ですが、味わいや具材のバランスが素晴らしい。佇まいと気品でいえば京都「イノダコーヒ」の“イタリアン”。蓋付きの銀食器に入って出てくるお姿を僕は“ナポリタンの女王”と呼んでいます。味わいも気高い(でもギリギリナポリタンの範疇)。

ナポリタンではないのですが、東京・麻布十番の「レストラン大越」の“赤スパ”も好きです。これはスパゲッティをケチャップで炒めただけのものですが、ここにいろいろな料理を組み合わせるのです。僕は“ハンバーグ付き赤スパ”をよく頼みます(さらに、カニクリームコロッケをトッピングしたりしますが。ちなみに、塩味の“白スパ”セットもあります)。これとは別にナポリタンもあるのですが、ここでは赤スパを頼んでしまうのです。

普通はランチなどに食べますが、ナポリタンは酒のつまみにもなります。東京・中目黒のワインバー「モノポール」ではナポリタンでワインを飲む人が多いのです。また先日行った東京・祐天寺の居酒屋「はがくれ」ではレバカツ(絶品!)や煮込みで呑んでいたら、お品書きにナポリタンを発見!もちろん頼んでみたところ、濃厚な味わいがレモンサワーにぴったり。かなりボリューミーでしたがしっかり頂きました。レストランで食事した後だったのに……。

「イノダコーヒ」
「イノダコーヒ」
「レストラン大越」
「レストラン大越」
「はがくれ」
「はがくれ」

「食べるラジオ」TOKYO FM 毎週土曜19時〜19時30分OA

※ノーカット版はJFNPARKで聴けます。
https://park.gsj.mobi/program/show/50786

「ちくわの中に詰めるもの」「好きなナポリタン」など番組へのメッセージはインスタグラム@taberuradio

文:植野広生