渋谷の神南にある「The SG Club」は地下、1階、2階と違った楽しみ方ができる大人の社交場だ。世界でも活躍するバーテンダーの後閑信吾さんが手掛けるカクテルは、オリジナリティーに溢れ、大人をワクワクさせる。ちょっと呑みたいとき、フラッと寄ってみませんか?
昼は、窓から入る光がカウンターを照らす。日常の延長、お気に入りのカフェのようにふらっと訪れて自分の時間を楽しめる。夜の程よい賑わいにも、いわゆる堅いバーの光景はない。まさに今を感じる力みのなさと自由度の高さが、このバーにはある。
2018年、渋谷にこの店をオープンさせたのは、後閑(ごかん)信吾さん。上海にバーを3軒持ち、その世界では国際的有名人だ。彼が「レモンハイもウーロンハイもカクテルなのに、日本ではバーというと敷居が高い。もっと間口の広い店を作りたい」と、路面店にこだわって、昼から営業する気軽なバーを出した。店オリジナルのカクテルも、素材の組み合わせがまたユニークで、バーホッパーだけでなくレストラン好きの心も、そしてワイン好きの心もバッチリ掴む。新ジャンルのバーの登場だ。
さらに面白いのは、地階には夜だけ営業する、ぐっと大人びたバーがあること。階の「ゴクゴク飲む」と対照的に「チビチビ飲む」をテーマにし、オーセンティックとは言わないが、背筋の伸びる非日常の空間は、まるで映画のワンシーンのようだ。
文:浅妻千映子 写真:宮濱裕美子
※この記事の内容はdancyu2019年7月号に掲載したものです。