段階的に外出規制が緩和されはじめているニューヨーク。しかし、まだ予断を許さない状況である上に、白人警察官の黒人殺害に対する抗議行動も激化しています。このような状況の中、現在ニューヨーク在住の大野さんが、現地からデリバリー事情をレポート。
今回は、日本にいた時から大好きでよく食べていたベトナム料理です!ニューヨークの「Lotus Vietnamese Sandwiches」で、ベトナム料理の代表選手である、生春巻きと牛肉のフォーを毎度おなじみUber Eatsで頼んでみました。
あれ?“ベトナムサンドウィッチ蓮”というお店に生春巻きとフォーがあるの?と疑問を抱いた方もいらっしゃると思いますが、こちらでは、国名・代表食(バインミー=サンドウィッチ)・国花(蓮)などを並べた店名にすることで、ベトナム料理ですよ!と分かりやすく伝えていることが多いんです。なので、サンドイッチと書いてあっても、サンドイッチだけではなく、大抵のお店がその国の色々な料理を提供していたりするので、きちんと下調べしてお店を選ぶことをお薦めします。
さて、ハズレなしと聞くニューヨークのベトナム料理!まずは生春巻きからいただきます。もっちもちのライスペーパーに、プッリプリのエビとシャキシャキの野菜とパクチーがくるまれていて、それをピーナッツソースに付けてパクリ。もう説明不要ですね、抜群に美味しいです。食べ終わった後には、口の中で追い掛けてくるパクチーの香りが鼻から抜けて心地よく余韻に浸れます。
次に、牛肉フォー。チキン味のスープは見た目も味もコンソメスープ(チキンか野菜味のスープを選択)で、少し胡椒が効いています。そこに、モチモチのライスヌードルと、よく茹でた大きめサイズの柔らかい牛ロースが入ります。薬味にはミントの葉と、レモンが付いてくるので、スープの味や香りの変化を楽しみながら、一滴も残さず飲み干して、あっという間に完食してしまいました。非常に美味しかったです!だけど、それ以上になんだか懐かしい気持ちになるというか。その気持ちになる味を変えたくなくて、一緒に付いて来たチリソースと味噌風ソースは、使わなかったくらい。なんでしょう?夕焼けを見ると小さい頃を思い出す感覚みたいです。
考えてみると、ベトナムは長い長い間、戦火が絶えなかった歴史的背景が食に直結しています。フォーでいうと、麺は中国、コンソメはフランスからの影響を受けています。ベトナム人は他国の良いところを積極的に受け入れる順応性と、そこに自国らしさを加える賢さがあります。だからこそ、心優しい国民性も相まって、多くの人から愛される、素朴でほっこりする気持ちに導くことのできるベトナム料理を完成させたのだということに気が付きました。食から学ぶことは多いですね!
ああ、またしても想像するだけでよだれが……。今日も、また頼もうかな。
余談ですが、パクチーの量が控えめなので、物足りない人は「on the side」でパクチー増しを。ニューヨークは細かく自分好みにオーダーすることが当たり前なので、遠慮せずに!