カメラマンが、いつかまた食べたい料理
フレンチトースト、牛肉のフォー、オムライスと......|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

フレンチトースト、牛肉のフォー、オムライスと......|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

カメラマンの川原崎宣喜さん。今、食べに行きたい、会いに行きたい料理はなんですか?と聞くと……。

川原崎宣喜さんが食べに行きたいのは――。

東京・平井「ワンモア」のフレンチトースト

フレンチトースト
陸の孤島、そう呼ばれる旧中川と荒川に挟まれた江戸川区平井。この街の、僕もお気に入りの喫茶店「ワンモア」。新聞を読みながら煙草をふかすおじさん、ホットケーキと珈琲のマリアージュに浸るマダム。口の中に広がるレモンとバターの香りを楽しみながら、ローカルの楽園にお邪魔して食べるフレンチトースト。

ベトナム・ハノイ「Pho Tin」の牛肉のフォー

ベトナム・ハノイ「Pho Tin」の牛肉のフォー
ベトナム・ハノイ「Pho Tin」の牛肉のフォー
時差はたったの2時間、美味しい国ベトナム。そんな中でも僕のお気に入りはハノイにある「Pho Tin」の一番人気、牛肉のフォー。 初めてベトナムを訪れた際、コーディネーターさんおすすめのこの店に空港から直行した。アジア料理独特の香りよりも、優しいスープの味が舌に残る。お腹の弱い僕も、スープを全て飲むことは危険だと察知したが思わず完食。そもそも米粉なのだから日本人に合わない訳がない。あの味を思い出すと、ベトナムの湿気、日本では考えられないバイクの通行量や人々の気さくな笑顔もが同時に、脳内を過ぎるのだ。

東京・八丁堀「コーヒーハウスエル」のオムライス

東京・八丁堀「コーヒーハウスエル」のオムライス
オフィス街、八丁堀にある「コーヒーハウスエル」。洋食屋さんで食べるのも美味しいけれど、喫茶店で食べるカレーやピラフもまた至福だ。付いてくるのがスープではなく、味噌汁という所が愛らしい。食後に珈琲をすすっていると、なんだかサラリーマンたちと同僚になった気分に。「午後の仕事も一丁やるか!」そう思わせてくれる喫茶店の正しいオムライス。

実家のおかんのなんてことのない料理

「明日死ぬなら何食べたい?」。幾度となく議論されたこの議題に、“最後の一品”なら、お寿司やすき焼きなどの横綱に負けてしまうのだが、“最後の一日”なれば滑り込みでランクインするのが、おかんの料理だ。不動の2番打者は特別美味しい訳ではない。けれども、どのお店よりもホットしながら食べられる料理が出されるのは、ここのテーブルなのだ。

写真・文: 川原崎宣喜