明日、どこに食べに行こう?
神楽坂の路地裏、センスのいいカウンター割烹へ|今年中に行っておきたい東京の和食店②

神楽坂の路地裏、センスのいいカウンター割烹へ|今年中に行っておきたい東京の和食店②

伝統的な和食の美味しさが堪能できる店から、店主のセンスでジャンルを意識しない使い勝手のいい空間など、 東京の和食店はスタイルが多様化しています。進化を続ける和食の「いま」を知るために、行っておきたい良店へご案内――。

その日の気分に合わせて気楽に一皿を選べる

さまざまな料理が違和感なく共存する食都”東京”。それを体現するかの如き一軒が、ここ「SHIGEtei(シゲテイ)」だ。

店内
2018年12月20日開店。予約が望ましい。

神楽坂の路地奥にひっそりと佇むその扉を開けると、コの字カウンターが広がり、店主の長野成宏さんが一人で迎える。壁にかかる手書きの黒板に目をやると、ワンオペとは思えないバラエティーの豊かさに心が躍る。鯵やイサキなど旬の魚の刺身があるかと思えば、ヒレカツサンドあり、ボロネーゼありの楽しさ!純和風な料理から洋の一皿までがずらりと並び、食いしん坊魂をこれでもかと刺激する。

ペンネボロネーゼ
ヒレカツ用の肉の切り落としでつくる“ペンネボロネーゼ”1,080円。全粒粉のパスタならではのコシと肉々しいソースが好相性。
鯵の琉球和えと黒ムツのお造り盛り合わせ
黒板に書かれた鮮魚は、刺身一切れから注文できる。“鯵の琉球和えと黒ムツのお造り盛り合わせ”1,620円。
アスパラガス黄身酢タルタル
蒸したアスパラの旨味を感じる“アスパラガス黄身酢タルタル”972円。

また、マヨネーズ代わりに黄身酢を使ったタルタルソースでいただくアスパラガスのように、和洋を巧みに組み合わせた一品もここならでは。洋の皿でも日本酒に合うようにと、黄身酢には追い鰹で和の旨味を足し、ボロネーゼのミートソースには仕上げに醤油を少々。さりげない一手間一手間に、長野さんのセンスの良さが窺える。

長野成宏さん
スペイン料理から鮨まで多彩な修業経験を持つ店主の長野成宏さん。
お酒
日本酒、ワインからハイボールまで、酒のジャンルも幅広い。日本酒一合1,080円、グラスワインは972円。

コースオンリーの店が多い昨今にあって、アラカルト中心ゆえ、その日の気分で好きに頼めるのもうれしい限り。これほど気ままに食事を楽しめる店は、東京広しといえどなかなかない!

店舗情報店舗情報

SHIGEtei
  • 【住所】東京都新宿区神楽坂4-2-27
  • 【電話番号】080-7053-0077
  • 【営業時間】18:00~23:00(閉店)
  • 【定休日】不定休
  • 【アクセス】JR・東京メトロ「飯田橋駅」B3出口より5分

文:森脇慶子 写真:木村心保