旬の野菜の知恵袋。
里芋料理の真骨頂「柚子おろし煮」。

里芋料理の真骨頂「柚子おろし煮」。

肌寒くなってくる季節に食べる里芋料理といえば、体がほっこり温まる煮物。里芋の旬の旨味を活用する調理法を知りながら、大根と柚子と一緒に煮物をつくりましょう。料理研究家の植松良枝先生が、これだけは外せないと語る一品を披露します。

里芋と大根と柚子のおいしい関係。

秋が深まりを見せると、里芋はふっくら大ぶりなものが出回ってきます。
時季を同じくして、大根と柚子も旬を迎え始めます。これらを一緒くたに煮てしまうのが私の秋の定番料理。
お餅のようにねっとりと煮えた里芋をたっぷりの柚子おろし出汁でいただく幸せといったら、里芋料理の真骨頂とも言えるほど魅力たっぷりな味わいです。

柚子
柚子は皮と果汁を使います。表面に傷が少なく、綺麗な見た目なものを選ぶと良いでしょう。

この料理に使う里芋は、ぜひとも大きくて丸くて滑らかな肌の里芋を使ってみてください。
似たような大きさの里芋を丸ごと煮るのが豪快でおすすめですが、半割などにして大きさを揃えて煮ても良し。煮崩れはしないけれど箸で簡単に割ることができる頃合いまで火を入れていくので、途中で里芋の中心部を箸で刺して柔らかく煮れているかチェックすることが大切になってきます。

里芋
大根おろしと合わせて煮ることで、味わいはまろやかで滋味深い味わいになります。

里芋の皮を剥くときは、なるべく水分に付けないようにするのが手際を良くするコツです。
ナイフで乾いた里芋の皮をこそぐようにすれば、特有のぬめりは出ませんし、なにしろ薄く剥くことができます。
ケバケバした里芋の毛が付いたりもしますが、洗うのはぐっと我慢!鍋へ入れる直前に湿らせたキッチンペーパーでケバをしっかりと拭えば大丈夫です。
もしも途中で洗ってしまうと、途端にぬめりが発生し、煮物のだし汁までとろみがついてしまいます。サラッとした煮物にしたいのであれば注意が必要です。
「里芋を洗うのは干す前の一度だけ」と肝に命じておきましょう。

ナイフでこそぐ
ナイフでこそぐように皮を剥けば、一番栄養が詰まっている皮と身の間の部分も食すことができます。

里芋の柚子おろし煮のつくり方

材料 材料

里芋 6個
大根 8cm
柚子 1/2個
三つ葉 4本
だし汁 600ml
大さじ2
薄口醤油 大さじ2~2と1/3
材料

1 大根をすりおろして、柚子の皮を刻む

大根は皮を剥いて、すりおろし器で大根おろしにする。すりおろした大根はキッチンペーパーで水気を絞っておく。柚子は適量の皮をうすく削ぎ取り、3cmほどの長さに刻む。

大根
柚子の皮
柚子の皮を刻むとき、実の間の白い部分が入ると雑味が混じってしまいます。

2 里芋を煮る

里芋は皮を剥き、湿らせたキッチンペーパーで表面を拭いておく。だし汁を入れた鍋を中火にかけて、煮立ったら里芋を入れる。酒とうす口醤油を加えて蓋をしたら、里芋の中心に箸がスッと刺さるようになるまで20分ほど弱火で煮る。

里芋を煮る
里芋を煮る

3 大根と柚子を加える

大根おろしを鍋に加えて3分ほど煮て、柚子の搾り汁加えて火を止める。
器によそい、柚子の皮と三つ葉を添えてでき上がり。

大根と柚子を加える
大根と柚子を加える
完成
里芋の旨味をギュッと詰め込んだ煮物です。どうぞ温かいうちに召し上がってくださいね。

―――つづく。

文:植松良枝 写真:宮濱祐美子

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植松 良枝(料理研究家)

四季に寄り添った食と暮らしを提案する料理研究家。菜園での野菜づくりがライフワーク。春夏秋冬それぞれの季節が極まり、次の季節の準備期間である「土用」を暦の中でも特に大切にしている。一児の母となり、忙しい日々の中で家族への想いも増してさらに深く土用を考えるようになった。