佐渡観光。
「Silt」の"植物と洋酒"。

「Silt」の"植物と洋酒"。

2019年1月、佐渡の中央部エリアの真野新町に登場した一軒の店「Silt(シルト)」。扱うのは、植物と洋酒である。若き女性店主が開いた、一風変わった取り合わせの新店は、佐渡の新しい集いの場になっている。

植物とナチュラルワインと蒸留酒の店である。

佐渡島の中央部に位置し、造り酒屋もある真野新町。
最近佐渡に移住してきた人たちが、ぽつぽつ店を開き始めている動きのあるエリアである。
2019年1月、国道350号沿いに開店した「Silt」もまた、注目の新店である。

築年数約80年の一軒家が店として生まれ変わり、息を吹き返した!

決して派手な外観ではない。
昭和初期に建てられ、写真スタジオや塾など歴代の借主にいろいろな使われ方をしていた木造家屋。天井の高い開放的な建物をリノベーションした空間に、多彩な植物が配されている。
中に進むと、ナチュラルワイン。蒸留酒もある。そう、これらが「Silt」で扱っている商品である。
このちょっと不思議な取り合わせは、にわかな思い付きではなく、店主の椎名智代(ともよ)さんが働いて積み重ねてきたキャリアによってたどり着いたカタチだという。
ちなみに、さらに奥に伸びる廊下を伝うと、椎名さんのパートナーが営むヘッドスパもある。一見、脈絡のなさそうなものが、無理なく、心地よく、自然に調和しているのだ。

多彩な植物は、一辺倒じゃないレイアウトでも目を愉しまる。
ナチュラルワインコーナー。一本ずつ丁寧な説明が添えられている。

常に、飲食と庭の仕事の二足の草鞋だった。

店主の椎名智代さんは、日本海に浮かぶ佐渡島とは縁もゆかりもない茨城県の出身。2018年に佐渡へ移住してきた。

椎名さんは学校を卒業後、都内で飲食店で働くも、ハードワークがたたり体を壊してしまう。

もともと植物が好きで、2011年にメディカルハーブについて学ぶべくイギリスへ渡る。1年の勉強を経て、帰国後は庭のデザインを設計する会社で働きながら、ソムリエ資格を取得。週末はフランス料理店でサービスの仕事を続けること4年。

さらに植物のことを学ぼうと志し、2016年より再びイギリスへ。2年にわたってロンドンでメンテナンスガーデナーとして働くかたわら、ナチュラルワインを扱う酒販店にも勤めた。

「Silt」店主の椎名智代さん。笑顔がチャーミング!

「常に、飲食と庭の仕事の二足の草鞋を履いてきたんです。2018年に帰国すると、自分の店をやってみたい、と強く思って。どこが自分にとって理想の場所か、いろんな地方都市を訪ねてみたんです」

そして、彼女は佐渡にやって来た。


――「Silt」の“サボテンとワイン”につづく。

店舗情報店舗情報

Silt
  • 【住所】新潟県佐渡市真野新町287‐2
  • 【電話番号】070‐4545‐4148
  • 【営業時間】11時~日没
  • 【定休日】火曜、不定休あり
  • 【アクセス】佐渡汽船「両津港」より車で30分

文:沼由美子 写真:大森克己

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沼 由美子(ライター・編集者)

横浜生まれ。バー巡りがライフワーク。とくに日本のバー文化の黎明期を支えてきた“おじいさんバーテンダー”にシビれる。醸造酒、蒸留酒も共に愛しており、フルーツブランデーに関しては東欧、フランス・アルザスの蒸留所を訪ねるほど惹かれている。最近は、まわれどまわれどその魅力が尽きることのない懐深き街、浅草を探訪する日々。