最近、蕎麦の産地を謳う蕎麦店が増えています。蕎麦の食べ比べが叶う蕎麦界の若きホープ「一東菴」に、蕎麦の品種や産地の魅力について教わりました。蕎麦にも「シングルオリジン」の時代がやってきたのかも。
「江戸ソバリエ協会」理事長のほしひかるさんと、蕎麦偏愛モデルのNOMAさんが蕎麦道を深めるシリーズ「TOKYO蕎麦めぐり」。
東十条という都心からちょっぴり離れた町に、蕎麦通たちが足繁く通う店があります。吉川邦雄さんが2011年に開いた「一東菴」。常時、産地や品種の違う蕎麦を食べることができて、ときには諫早、対馬、五島列島などの珍しい在来種が登場することも。
「蕎麦を食べ比べるならここ」と猛プッシュのほしさんに連れられ、NOMAさんが5つの蕎麦を初めて食べ比べます。めくるめく蕎麦の最前線へ、いざ!
佐賀県佐賀市出身。豊かな知識とわかりやすい解説でビギナーからツウまで幅広く支持される、蕎麦界の博覧強記。偏愛蕎麦屋は両国「江戸蕎麦 ほそ川」。江戸の蕎麦の通人を表す民間の資格「江戸ソバリエ」認定委員長であり、深大寺そば学院講師や「武蔵国そば打ち名人戦」審査員も務めている。共著に『休日の蕎麦と温泉めぐり』『江戸蕎麦めぐり』(ともに幹書房)がある。
佐賀県佐賀市出身。ファッション雑誌からラジオのパーソナリティまで幅広いジャンルで活躍中の人気モデル。生態学者である日本人の父とシシリア系アメリカ人の母を持ち、佐賀の大自然に囲まれて育つ。ライフワークは蕎麦と植物と宇宙。江戸蕎麦は原宿「玉笑」と両国「江戸蕎麦 ほそ川」がフェイバリット。蕎麦打ちにも興味津々。VOGUE JAPAN WEBで「モードな植物哲学。」を連載中。TOKYO FM「東京プラネタリー☆カフェ」でパーソナリティを務める。
今日は特別に、5つの産地、種類の蕎麦を食べ比べさせてもらえることになりました。
① 長野の“南相木(みなみあいき)在来”
② 新潟の“妙高関山在来”
③ 千葉、成田の“千葉在来”
④ 埼玉、三芳町の3年熟成“秋蕎麦”
⑤ 佐賀、唐津の“佐賀在来”
在来種4種、熟成1種。産地も種類も違う5つの蕎麦を一度に食べ比べるのは、さすがのほしさんも初めてだとか。
待望のせいろ一枚目は、長野県の“南相木(みなみあいき)在来”が登場しました。
品書きを見つめながら、NOMAさんの目がいっそう輝きました。
――つづく。
文:森本亮子 写真:本野克佳 ヘアスタイリング:河原里美