東京・代々木公園にある「クリスチアノ」は、ポルトガル料理の美味しさを世に知らしめた伝説の一軒だ。今回は、店の味を弁当やレトルトで販売。どの商品もお酒との相性がいいので、つまみとして食べるのもお薦めです。
干し鱈に鰯やタコといった魚介を多用し、オレンジやにんじん、バニラなども使うのが特徴。そんな異国のポルトガル料理を、一気に知らしめたのがここ「クリスチアノ」だ。12年前のオープン当時から現在に至るまで、店内は毎晩陽気に楽しむ客の姿であふれている。
料理は小皿も大皿もシェアして食べられるカジュアルさだが、どの皿も一からきちんとつくられている。たとえば、ポルトガル料理で多用されるバカリャウ(干し鱈)は、鱈を丸のまま塩漬けし、時間をかけて干してつくり、今では現地でも手づくりする人がほぼいないという調味料の、発酵パプリカペーストも自家製だ。さらには、旨味を調整する塩までつくってしまう徹底ぶり。
そんな素材が使われた丁寧な味わいにハマる人が続出し、「クリスチアノ」は一躍人気店へと上りつめた。
「海外で年半修業する中で、ポルトガル料理と出会ったときは衝撃でした。単純な要素でなぜこんなに旨いんだ?と他の国での修業が吹っ飛んだくらいです(笑)」と店主の佐藤幸二さん。現在では、ポルトガルスイーツ店やもんじゃ焼き屋など、他ジャンルの店を複数経営する実業家の顔もある。だが、彼の原点となったこの店では、その衝撃が今も再現されているのだ。
※当日は内容や盛り付けが変更になる場合もあります。
文:浅妻千映子 撮影:伊藤菜々子