第7回「dancyu Live!キッチン」は、東京・銀座「レストラン ラフィナージュ」の高良康之シェフをむかえ、dancyuムック「肉焼き上手になる」と連動した牛肉と鶏肉の美味しい焼き方を配信しました。
高良シェフ、植野編集長、そしてアシスタントの編集部員神鳥の3人で、シャンパーニュ片手に乾杯からスタート。いつもより豪華な演出に、植野編集長のダジャレも滑らか。それにつられて高良シェフはペースを乱される?
最初は、牛肉の焼き方から。用意されたのは、シェフがスーパーで買ってきたという厚さ2cmほどのサーロインステーキ。これを、家庭で一般的なフッ素加工のフライパンで焼いていきます。なぜ豚や鶏ではなく牛肉からスタートするのか。はっきりとした理由があります。答えはdancyuムック「肉焼き上手になる」に書かれているので、そちらをどうぞ……(と言いつつ、優しいシェフは最後に答えを教えてくれました)、と早速調理がスタートしました。
焼き始めようとしたところ、YouTubeのコメント欄に、なんと浅草のフレンチ「ナベノイズム」の渡辺シェフから「拝聴中です」とのメッセージが!ライブ配信ならではのサプライズに場が湧いたところで、「フッ素加工以外のフライパンでもいいですか」というメッセージが数名から寄せられました。
「フッ素加工以外のフライパンでももちろん大丈夫。むしろ鉄であれば焼き目も綺麗についてなおいい。ただ、フッ素加工の場合は油を引いた後、温度を上げないところから焼き始めますが、鉄はしっかり加熱してから焼き始めるのが鉄則です。油はサラダ油でOKですが、ラードやヘッド(牛の脂)でももちろんよし。オリーブオイルやバターは、2度目に焼く仕上げ油として香りづけのつもりで使うのがお薦めです」と、質問にしっかり答えながら調理を進める高良シェフ。
今回使用した仕上げ油はバター。ノワゼット(ヘーゼルナッツ)の色と香りになったらバターの役目が終わり、肉は焼き上がりです。網の上に乗せたら表面に塩をして、フライドポテトと赤ワインソースを添えて出来上がり。いい色!とても美味しそうです。
さっそく植野編集長の試食タイム。シャンパーニュとともに肉を頬張る植野編集長。「おいしそう」の声がYouTubeのコメント欄からも届きます。さてお味は……?感想はぜひアーカイブ配信をご覧ください!
続いては「鶏モモ肉のソテ」を使った、本には掲載していないレシピを2品ご紹介。一品目は野菜をたっぷり使った「ギリシャ風」。大きめに切って焼いた野菜を軽く白ワインで煮て、鶏肉とともに冷蔵庫へ。仕上げにはレモン果汁やパクチーの葉でフレッシュさを出します。
もう一品の「狩人風」はキノコをたっぷり、大きめに切って炒めて旨みを引き出し、フォンドボーも入れた厚みのある味わい。もし、これを作っている間に肉が冷めてしまったと思ったら、皮目だけ再度フライパンに油をひいて焼き直しても大丈夫。最初にしっかりパリッと焼き上がっていれば、またそのように戻るとのことでした。
それぞれの料理に合わせて鶏肉を切ります。温かい方は、切るときに「サクッ」と音が鳴って切り口から湯気が。この焼き上がりに高良シェフの満足そうな微笑みが。植野編集長もひとくち食べて思わずスタンディングオベーション!
その後も、「白ワインはどんなタイプがいいですか」というYouTubeのコメントに対する高良シェフの答えは「ソービニオンブラン。酸味がしっかりしているから」。どんな質問にも明確な理由と答えを持っているのはさすが高良シェフ。
トップクラスの料理人の手元をこれだけじっくり見ながら、リアルタイムで質問もできる「dancyu Live!キッチン」。今回はどなたでも見ていただけましたが、次回は食いしん坊倶楽部メンバー限定配信です。これを機会にぜひ入会を。
次回、第8回目「dancyu Live!キッチン」は、10月20日(水)20時から、自由が丘「mondo」の宮木シェフをお呼びして「釣って食べる」をテーマにアジ、サバのさばき方と誌面未掲載のレシピも配信予定です。事前質問も受け付けていますので、釣り好き、魚好きの方は必見です!ぜひご参加ください!
文:浅妻千映子 撮影:赤澤昂宥