
2月6日の『日本酒dancyu vol.1』の発売に合わせ、名物取材である「日本酒試飲会」を読者に体験してもらうイベントを開催。食いしん坊倶楽部のオープンチャット「日本酒が好き!」で参加者を募集し、実際に誌面で紹介した日本酒を4人のメンバーに本気テイスティングしてもらいました!
普段は専ら地元・群馬の日本酒を飲んでいるというドンク55さん。会社に置いたセラーに日本酒をストックし、社員と一緒にブレイクタイムを愉しんだりするという、会社経営者のヒデミチさん。フランスで生まれ育ち、仕事で来日して4年になるというkkFRさん。日本酒とワイン、醸造酒をこよなく愛し、レストランの食べ歩きが趣味という紅一点のさちえさんです。
dancyuではこれまで数多くの日本酒特集を組んできました。その中で毎回必ず掲載しているのがボトル紹介ページ。特集の要を担う企画として、現在絶賛発売中の『日本酒dancyu vol.1』では「円熟の酒」と「新進の蔵」の酒を計30本紹介しています。
この掲載酒を決めるにあたっては毎度、テーマごとに候補となる酒を集め、飲食店主やソムリエなど酒のプロを招いての厳しーい試飲会が行なわれているのですが、実は「何が載るのか、毎号楽しみ」「数ある中からどうやって選んでいるの?」といった読者の声が、編集部には毎度のように寄せられるとのこと。そこで「誌面づくりの工程を倶楽部メンバーの皆さんにもリアル体験してもらおうじゃないか」と、“dancyu恒例!日本酒試飲会”のリアル体験会を開催しました。
dancyuの読者組織である食いしん坊倶楽部メンバー限定のLINEオープンチャット「日本酒が好き!」ルームで告知をし、集まっていただいたのはこの4名。ドンク55さん、ヒデミチさん、kkFRさん、さちえさんです。
編集部_折敷出「今回は掲載酒の中から15本をセレクトしました。本物の試飲会同様、アルコール度数が低い順に試飲していただきます。審査員の皆さんにお渡ししている試飲コメントシートとまったく同じものを用意しましたので、実際に同じように記入してください」
その進め方は以下の通り。
・ボトル名は伏せ、ブラインドで試飲。
・テイスティング用グラスか、お猪口を使用。
・コメントシートには、合わせたい料理、香りや味の印象、飲みたいシチュエーション、キャッチコピーなどを書き入れ、総合点として10点満点で評価点をつける。
ヒデミチ「……え、キャッチコピーとかつけるの、めちゃむずですね」
さちえ「一度にこんなにたくさん、飲み比べたことがなかったので、貴重な体験!」
編集部_折敷出「さあ、では始めますね。味わいに集中して、ご自身の感覚に忠実に評価していただくために、試飲中はおしゃべりなしでいきましょう」
しーんと静まり返る中で、試飲は粛々と進められていきますが……つい声が漏れる@ドンク55さん。
ドンク55「…おお!うわーお。ああおいしい!この調子だと、全部に10点満点をつけちゃいそうだ」
さちえさんも笑みがこぼれます。その横では、頭を抱える@kkFRさんが。
kkFRさん「点数に差をつけなければいけないのも大変。それと、日本酒の味の比較って難しいですね。ブドウ品種の違いで味の差が明確なワインと違って、お米の味の違いは本当に繊細」
ドンク55「(誌面を眺めながら…)うーん、これはどのお酒だろう、気になる!」
編集部_折敷出「銘柄は気になるところですが、当てることが目的ではないので、気にせずに進めてくださいね!最後に種明かしをしますよ」
終盤に差し掛かり、皆、イイ感じで酔いが回り始めた頃。kkFRさんのコメントを皮切りに、4人がとうとう、堰を切ったように話し始めました。
kkFR「……んん?これは、もしかして、あれですか。あれに決まってる!」
ヒデミチ「(苦笑)おそらく、確定でしょう。この酸!とてもわかりやすい。いい意味で、どのラインナップを飲んでもこの蔵のお酒には共通する個性がありますね」
さちえ「こちらはあんこう鍋で決まりね!いせ源で飲みたいわ」
kkFR「そしてこのお酒は“スーパーバナナ”!」
キャッチ―な試飲コメントや名言が続出!はたしてそれぞれの推し(偏愛)は?
4人の一番人気は、はたしてどれだったのでしょうか。ユニークな試飲コメントの数々は、どの銘柄を指していたのか?試飲酒の全容は【後編】で明かします。
文:林 律子 撮影:編集部