dancyuのwebで開催した稲刈りツアーの2日目。あいにくの雨にも負けじと米を収穫した後には、イベント恒例のご馳走が稲刈り隊を待っていました。秋の魅力をギュッと詰め込んだイベントのレポートです。
2019年10月に行われた稲刈りツアー。
1日目は稲刈り&芸術鑑賞&秋の味覚&米づくりのトークショーと盛り沢山の内容を堪能し、稲刈り隊の一行は小学校をリノベーションした宿泊施設「三省ハウス」で2日目の朝を迎えたのでした。
窓の外を見ると、しとしと降っているのは、雨。
土砂降りというわけではないけれど、稲を刈るにはあまり好ましくない天候。午前中に松代の棚田で稲刈りをする予定でしたが、この雨ではいささか苦戦しそうです……。
朝8時の食堂で朝食を食べながら、稲刈り隊は作戦会議を開きます。
天気予報では、昼過ぎの降水確率が下がっている。ここは午後に予定していた「大地の芸術祭」のアート作品の中でも一番人気を誇る「Tunnel of Light」を先に鑑賞しようではないか!
やまない雨はないと、バスへと乗り込みます。
「Tunnel of Light」から望む清津峡渓谷は、日本の三代渓谷のひとつ。
柱状に突き出した雄大な岩礁と、麓に流れる清地川を眺めながら進む750mは、光を駆使した現代アートと見事に融合しています。
一行が長い長いトンネルから抜け出すと、さきほどまで降っていた雨はすっかりやんでいました。
さぁ!いよいよ最後の稲刈りだ!
棚田のある「農舞台」に集結した稲刈り隊。雨はやんだが、空はまだ曇天の様相です。
急な雨への備えをして、いざ再びの棚田へ!
初日よりもテキパキと収穫を進める稲刈り隊。
一度経験した動きが、一晩超えても体にしみついています。稲を刈り取り、腰に差した藁でくるくるっと結んでいく。
稲を刈り進める面々の口から聞こえてきたのは、でき上がった米をどのようにして食べたいか……。ということ。
「まずは白米だけで食べて、粒の味を噛みしめます!」
「アツアツの味噌汁で、グッと流し込みたいです」
「白米には梅干しというのは昔から決まっている!」
そんな会話を交えているうちに、稲穂が実っていた棚田は、野球少年の頭さながらにみるみる刈り上がって行きます。
夏の暑さと台風の脅威を乗り越えて、元気に育った稲を収穫し終えた稲刈り隊。
上達した稲刈りの腕前をお互いに称え合いながら「農舞台」に戻ると、ピロティには華やかな食事がずらりと並べられています。
「つむぎや」のマツーラユタカさんと「青果ミコト屋」の鈴木鉄平さんが、腕を奮ってくれた料理とともに稲刈り隊のことを出迎えてくれました。
気持ちの良い疲労感が残る体に、ご馳走をたらふくかき込んだ面々は、充実感が満ち溢れている様子。
汗水をたらして収穫した棚田の米は、脱穀して稲刈り隊の元まで届きます。普段、当たり前に口にしている米を自分たちでつくるということ。きっとこの経験がこれから食べる米をもっともっとおいしくしてくれるはず。
稲刈りの思い出と一緒にバスに乗り込み、現地の方達に手を振りながら東京への帰路へと着くのでした。
写真:阪本勇