dancyu3月号「ほとばしる!日本酒」の本誌購入特典④は、千葉麻里絵さんのペアリングソースレシピです。このソースを冷奴、刺身、唐揚げなど、いつもの酒肴にかけるだけで、手持ちの酒にぴったり合う“ペアリング酒肴”に早変わり!
千葉さんの店「EUREKA!」でも出しているテッパン酒肴、白和えのレシピ(ソースではないですが……)。華やかでフルーティな香りのある吟醸酒系にぴったり。
いちご | 45g | 胡桃 | 30g | 和え衣※ | 25g | セルフィーユ | 適量 |
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※和え衣 | (つくりやすい分量) |
・豆腐 | 100g |
・白味噌 | 大さじ1弱 |
・クリームチーズ | 10g |
・醤油 | 適量 |
豆腐は水切りをし、他の材料と合わせ、ゴムべらで滑らかになるまで混ぜる。
いちごは4等分に切る。胡桃は粗く刻む。
2と和え衣25gを和える。皿に盛り、セルフィーユを添える。残った和え衣で、りんごや梨、柿など、他のフルーツを和えても美味しい。
酸味のある酒、特に酸味がキュッと締まった白麹仕込みの酒にピタリと合います。
ミントの葉 | 3g |
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ヨーグルト | 150g |
塩 | 2つまみ |
オリーブオイル | 大さじ1弱 |
ミントの葉はみじん切りにする。
1と他の材料を混ぜる。
燗に向くような、どっしり重い純米酒には、意外にもサルサソースが合う! サルサソースに加えた唐辛子が純米酒の重さを切り、抜け感をつくってくれるのです。
トマト 大 | 1個 |
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玉ねぎ | 1/8個 |
セロリ | 1本 |
青唐辛子 | 1本 |
オリーブオイル | 20g |
ライム汁 | 大さじ1弱 |
タバスコ | 少量 |
塩 | 適量 |
トマト、アボカドは1cm角に切る。玉ねぎ、セロリ、青唐辛子はみじん切りにする。
1と他の材料を混ぜる。
普通酒、本醸造酒とココナッツミルクの香気成分の相性は、驚くほど相思相愛!
かぼちゃ | 30g | (正味) |
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ココナッツミルク | 大さじ2 | |
味噌 | 小さじ1弱 | |
クミンシード | 適量 |
かぼちゃは皮をむいて耐熱皿に並べ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(500W)で約1分30秒加熱する。
かぼちゃを潰して滑らかにし、ココナッツミルク、味噌、クミンを混ぜる。
刻んだ刺身、長芋、納豆、醤油などを混ぜた居酒屋の定番つまみ“ばくだん“。薬味には紫蘇を使うことが多いですが、それを西洋ハーブのミントに変更。その爽快感で、酸味のある酒にベストマッチのばくだんに!
ブリ | 90g | |
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みょうが | 20g | |
小粒納豆 | 1パック(30g) | |
山芋 | 30g | |
らっきょう | 20g | |
ミントソース※ | 適量 | |
※ミントソース | (つくりやすい分量) | |
・ミントの葉 | 5g | |
・砂糖 | 小さじ2 | |
・酢 | 小さじ2 | |
・濃口醤油 | 大さじ1 | |
・オリーブオイル | 大さじ1 | |
・レモン汁 | 小さじ1/2強 | |
・白煎り胡麻 | 適量 |
ブリ、みょうが、山芋、らっきょうは納豆の粒の大きさに合わせて角切りにする。
ミントをちぎり、他の材料とよく混ぜる。
1とミントソース適量を和える。残ったミントソースは、鮪や鰹などの刺し身と和えてもよい。
ピータンの硫黄臭が、類似の香りをもつ熟成系のどっしり重い純米酒とがっぷり四つに組みます。刺身に限らず、冷や奴や唐揚げにかけてもOK。このタルタルソース自体に食べごたえがあるので、そのままでも酒肴になります!
ピータン | 1個 |
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マヨネーズ | 大さじ1と2/3 |
食べるラー油 | 小さじ1 |
ディル | 適量 |
ピータンを好みの大きさにスプーンで潰す。ディルは粗く刻む。
1とマヨネーズ、食べるラー油をよく混ぜる。
普通酒や本醸造酒のアミノ酸(=旨味)と刺身の味のトーンを揃えるために、ヅケにして調味料を中まで浸透させます。ヅケだれに味噌を加えることで、魚が熟成したような深い味わいに。
濃口醤油 | 100g | |
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酒 | 50g | |
みりん | 50g | |
砂糖 | 30g | |
味噌 | 30g | |
生姜 | 10g | (すりおろす) |
白煎り胡麻 | 10g |
酒とみりんは鍋に入れて強火にかけ、アルコールを飛ばし、冷ます。
1と他の材料をよく混ぜる。
香りのある酒を特徴づけるカプロン酸エチルは、りんごにたとえられる香気成分。りんごソースの香りと甘酸っぱさで、酒の香りと甘味が華麗に花開きます。カルパッチョや、豚肉のソテーなどにも。
りんご | 1個 |
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玉ねぎ | 1/2個 |
レモン汁 | 小さじ2 |
オリーブオイル | 大さじ1弱 |
塩 | 適量 |
玉ねぎ、りんごは皮をむいてすりおろす(りんごは変色するので、すぐに工程2に移ること)。
小さめのフライパンにりんご、レモン汁を入れて中火にかけ、混ぜながら煮る。りんごに火が入ったら玉ねぎも加え、とろみがついて余分な水分がなくなるまで混ぜながら煮る。火を止めて冷ます。
2にオリーブオイルと塩を加えて味を調える。
生酒にはこのアジア風ソースを。生酒の青い香りに、パクチーの強烈な青臭さを重ねたペアリングです。フレッシュな生酒にはもちろん、生酒を熟成させた“生熟“タイプにも合うのは、クセのあるナンプラーが入るアジアンテイストだから。
ナンプラー | 大さじ1弱 | |
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米酢 | 大さじ1 | |
砂糖 | 小さじ2 | |
白ネギ | 10g | (みじん切り) |
パクチー | 適量 |
パクチーは粗く刻む。
パクチー以外の材料を混ぜる。
唐揚げにソースをかけ、パクチーを散らす。
酸味のある酒、燗酒の両方に合うスペシャルソース。コロッケ、メンチカツなど揚げ物系に幅広く使えます。
バルサミコ酢 | 50ml | |
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日本酒 | 30ml | |
チョコレート | 5g | (高カカオのもの) |
濃口醤油 | 小さじ1/2 | |
ウスターソース | 小さじ1/2 |
鍋にバルサミコ酢と日本酒を入れて弱火にかけ、1/3量になるまで煮詰める。
1にチョコレート、醤油、ウスターソースを加え、チョコレートが溶けるまでよく混ぜる。
燗上がりするような熟成タイプの純米酒には、熟成によって生まれるたくあんのような香りや、燻製を連想させるような香りがあります。これらの特徴とバチッと合うのがいぶりがっこなのです。
いぶりがっこ | 30g |
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マヨネーズ | 30g |
クリームチーズ | 10g |
いぶりがっこは3mm角に切る。
マヨネーズ、クリームチーズをよく練り合わせ、1を加えて混ぜる。
米をあまり磨かずに仕込む普通酒はアミノ酸が豊富。ここにアミノ酸の塊のようなパルミジャーノチーズをぶつける趣向がこちら。同じく旨味の濃い海苔には、杉と同じ香気成分が含まれているので、樽酒(本醸造)との相性も良好です。パルミジャーノチーズは粉チーズでもOK!
パルミジャーノチーズ | 15g | (すりおろす) |
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牛乳 | 大さじ1 | |
バター | 15g | |
海苔の佃煮 | 大さじ1/2 |
鍋にすべての材料を入れて弱めの中火にかけ、混ぜながら溶かす。
1を唐揚げにかけ、熱いうちに食べる。
恵比寿「GEM by moto」を経て、2022年11月に独立。日本酒と料理の“口内調理“を軸に、独自の日本酒ペアリング論を提案する。著書に『最先端の日本酒ペアリング』(宇都宮仁氏との共著/旭屋出版)など。
文:佐々木香織 撮影:徳山喜行