

銀座のバーテンダー、軽井沢でウイスキーをつくる
世界的なジャパニーズウイスキー人気の高まりを背景に、日本各地でウイスキー蒸留所の新設ラッシュが続く。日本初のウイスキー蒸留所「山﨑蒸溜所」が建設された1924年からちょうど100年後の2023年、また一軒、完成したばかりの新しい蒸留所のポットスチルに火が灯り、最初のスピリッツが流れ出した。「北軽井沢」をブランド名に掲げ、浅間山北麓の高原地帯で操業を始めた「北軽井沢蒸留所」がその舞台だ。設備も生産量も「山﨑」とは比べるべくもない小さな規模ではあるが、いや、それゆえに、成り立ちも経緯も展開もとびきりユニークなマイクロディステラリーの誕生ストーリーを追いかけた。