
もし、あのシェフが家で酒場を開いたら……という妄想からスタートしたWEB連載。3人目は、鎌倉「オステリア コマチーナ」の亀井良真シェフが登場。シンプルにそぎ落とし、素材の旨味を最大限に引き出すシェフが、「スーパーで手軽に買える食材で、和えたり軽く炒めたりするだけの爆速つまみ」を披露してくれた。4品目は、揚げ時間わずか5秒で仕上げる、ほぼ刺身状態の「瞬間アジフライ」です。

かめい・りょうま●兵庫県生まれ。高校時代をオーストラリアで過ごし、大学卒業後、パスタ好きが高じて27歳で料理人の道へ。鎌倉のイタリア料理店などで修行を重ね、2010年に自店『オステリア コマチーナ』をオープン。シンプル極まりない料理と自然な造りのワインを堪能できる鎌倉の名店をつくりあげた。休日は欠かさず海へ繰り出し、本格的に釣り三昧。著書に『daily PASTA book 鎌倉 オステリア コマチーナ』(KADOKAWA)。
| アジ | 2尾(刺身用※) |
|---|---|
| 塩 | 少々 |
| 薄力粉 | 適量 |
| 卵 | 1個 |
| パン粉 | 適量 |
| サラダ油 | 適量 |
| ★ タレ | |
| ・ 醤油 | 適量 |
| ・ 生姜 | 適量(すりおろし) |
3枚におろし、皮を引く。

皮のついていた面に塩をまぶす。

薄力粉→溶き卵→パン粉の順に衣をつける。



鍋にサラダ油を高温(約180度)に熱し、アジを一枚ずつ揚げる。片側3秒、裏返して2秒。計5秒揚げて、油をきる。衣が固まればOK、レアを目指して揚げ過ぎ禁物。


熱いうちに3等分に切り、器に盛る。めいめい小皿にとってから、醤油を少々つけて、生姜をのせて味わう。

ほんのり火の通ったふんわりした身から、中心のしっとりレアな身へ。わずか5秒の火入れが生む、なんとも軽やかな新食感だ。生姜醤油で味わえばキリッとした後口で、揚げ物なのに清々しい。合わせたい酒は「イタリアンにも合う」と亀井さんが絶賛するどぶソーダ割り。爽快な飲み口が繊細なアジフライを引き立て、楽しいやら美味しいやら。ところでこのレシピの着想は、仙台の名店「のんびり酒場ニコル」のアジフライから。「まだ店には行けていないので、妄想レシピですけどね」と笑う亀井さん。大好物で、賄いでも釣ったアジでよくつくるそう。「大葉で巻いてもおいしいですよ」。


鎌倉は小町通りのちょっと奥まった場所にあるイタリア料理店。食堂を意味する“オステリア”を銘打っているとおり、カジュアルな雰囲気が漂う。黒板には50近くのメニューが並び、どの料理も見た目は素っ気ないほどにシンプル。削ぎ落したからこそ生まれる滋味深さがどの皿にも溢れていて、何を食べても「旨っ!」と感動するし、何度食べても飽きることがない。夜はもちろん、昼もアラカルトOK。自然な造りのワインをとことん堪能しながら楽しめる素晴らしき店だ。
文:安井洋子 撮影:長野陽一