
焼酎好きが通い詰める八丁堀の名酒場「だけん」で今春開催した「焼酎のつまみ教室」。店主の井上亮さんに、いまお薦めしたいつまみと焼酎のペアリングを指南していただきました。第3回は熊本名物の油揚げ「南関あげ(なんかんあげ)」をメインにした煮物。熊本の米焼酎「武者返し」の必殺“燗ロック”を合わせると、五臓六腑に旨味が染み渡るペアリングになります。

焼酎を見つめ続けて20年以上。蔵元から絶大な信頼を集める焼酎の伝道師。パートナーの奈美さんと共に店に立ち、自ら厳選した焼酎・泡盛を200種以上を取り揃える。九州産の素材を生かした料理とのペアリングも秀逸で、月1度、蔵元を呼んでペアリングイベントも開催。

| 南関揚げ | 6枚 |
|---|---|
| はんぺん | 200g |
| 長ねぎ | 大さじ2(みじん切り) |
| 生姜 | 大さじ1(みじん切り) |
| だし汁 | 2カップ |
| 薄口醤油 | 大さじ2 |
| 酒 | 大さじ1 |
| 味醂 | 大さじ2 |
| 砂糖 | 大さじ1 |
お湯に南関あげを入れる。熱湯でなくてもよい。数十秒で柔らかくなったらざるにあげる。


はんぺんをキューブ状にカットし、フードプロセッサーに入れて滑らかになるまで回す。


はんぺんにみじん切りにした生姜、ネギ、酒、醤油を加えてよく混ぜる。

まな板に①の南関あげを広げ、③で味付けしたはんぺんダネをのせて海苔巻のように巻く。


くるっと巻けたら最後につまようじを刺して閉じる。


鍋にだし汁を入れ、南関あげ巻きを入れて煮る。温まる程度でOK。
タッパーにだし汁ごと移し、粗熱が取れたら冷蔵庫へ。冷やして味を染み込ませる。


仕上げに白ごまを振りかける。食べる時はそのままでも温めてもよし。

だしの染みた南関あげはトロトロ、中のはんぺんダネはふわふわで、夢見心地の食感。南関あげの油の風味とだしの旨味の相性も良い。食べるたびにじゅわりと旨味が広がる、滋味深いうまさ。



南関あげと同じ熊本生まれの米焼酎「武者返し」。蔵元が推奨する「燗ロック」は、“がら”という徳利のような器に焼酎を入れて直火で温めたら、氷の上に注ぐという唯一無二の飲み方。燗ロックで飲むと、米焼酎のふくよかな甘味と旨味がとろけるように口の中に広がり、南関あげにしっかり染み込んだだしの旨味と共鳴。心がほどける組み合わせです。

文:井上麻子 撮影:五十嵐一晴