大晦日からでも間に合う!「ポリ袋おせち」
【爆速おせちレシピ】程よい甘さでおかずとしても食べられる「栗きんとん」

【爆速おせちレシピ】程よい甘さでおかずとしても食べられる「栗きんとん」

程よく甘い味付けで、おかず感覚でだべられます。少し栗がつぶれたり、芋の粒々が残るくらいの仕上がりも美味です。荻野恭子さんの目からウロコのおせち論と毎年挑戦したくなる、気楽なおせちづくりを紹介します。

「栗きんとん」のつくり方

市販の栗の甘露煮にはくちなしが使われているので、そのシロップを活用して調味すれば、十分にきれいな色がつきます。
さつまいもを水にしっかりさらすのも、色よく仕上げるポイントです。

さつまいも

これが真骨頂!「ポリ袋で蒸す」

ポリ袋

直火でなければ、ポリ袋で加熱調理もできます。高温になりすぎないように、蒸気で蒸せばいいのです。
家にある一番大きな蓋付き鍋に、穴の開いたプレートを敷けば蒸し器になって、一つの鍋で複数のおせちが同時につくれます。
鍋の湯が沸騰して蒸気が上がったら弱火にし、その後はずっと弱火で。蒸し時間の長いものから鍋に入れ(鍋肌に当たらないように注意)、時折、湯を足しながら、時間がきたら取り出す。
煮汁が煮詰まる心配がないので、少量の煮物も上手につくれますよ。

ポリ袋
ポリ袋が破れることもあるので、煮汁が心配なものは袋を二重にすると安心。膨らむの で、できるだけ空気を抜いて口を閉じます。

材料材料 (つくりやすい分量)

さつまいも1本(正味250g)
栗の甘露煮1瓶(300g)(市販)
味醂小さじ1/2
少々

1さつまいもの下ごしらえ

さつまいもは厚さ7mmの輪切りにして、皮の内側の筋に沿って厚くむく。水に5分以上さらしてしっかりでんぷんを落とし、水気をきる。

さつまいもの下ごしらえ

2調味液と混ぜる

ポリ袋にさつまいもを入れる。栗の甘露煮のシロップを先に半量取り分けておき、甘露煮と残りのシロップ、味醂、塩を入れる。

調味液と混ぜる

3蒸す

ポリ袋の上からよくもんで全体をなじませ、空気を抜いて袋の口を閉じる。ポリ袋を二重にして口を閉じ、蒸し器に入れて、弱火で30分蒸す。

蒸す

4仕上げ

さつまいもが柔らかくなったら、熱いうちに、ポリ袋の上から芋だけを麺棒でつぶし、取っておいたシロップを加え、全体をもんでよく混ぜる。

仕上げ
完成
甘い印象のおせちですが、この味つけなら、おかず感覚の食べやすさです。少し栗がつぶれたり、芋の粒々が残るくらいの仕上がりも美味です。

始末の一品。「さつまいもの皮チップス」

厚くむいたさつまいもの皮は、素揚げにすればおいしいチップスになります。油が冷たいうちに皮を入れ、弱めの中火でじっくり揚げて、熱いうちに塩をふります。

さつまいもの皮チップス

教える人

荻野恭子 料理研究家

荻野恭子 料理研究家

和食、フランス料理、中国料理をはじめ、世界65カ国の家庭料理の知恵を備えた料理研究家。アジア諸国で目にしたポリ袋の活用方法に着想を得て、早くからポリ袋調理を提唱。著書に『ポリ袋漬けのすすめ』(文化出版局)ほか多数。

この記事はdancyu2021年1月号に掲載したものです。

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文:岡村理恵 写真:工藤睦子

岡村 理恵

岡村 理恵 (ライター)

群馬県生まれ。出版社勤務を経て独立し、食を中心としたライター・編集者に。料理はもちろん、畑や漁港からスーパーなど食に関わる現場、食卓をつくっている人々に興味あり。