
2026年12月5日発売のdancyu冬号「名酒場の感動つまみ」で紹介した『WINE BAR WEST』のつまみをウェブで詳しくご紹介。店主の仲西正和さんが割烹で働いていたということもあって、メニューにはワインバーらしからぬ珍しい魚のつまみがある。中でも「メヒカリの唐揚げとピリ辛マヨネーズ」は、サクッとした皮と、フワッフワな身のコントラストが最高で、ニンニクと香り高い唐辛子が効いた自家製マヨネーズがたまらん逸品です。

何だろう、この吸引力は。東急目黒線・西小山駅から徒歩4分。駅からレトロな商店街を抜けていくアプローチといい、アーチ状天井のおこもり感ある空間といい。そして、これだ。酒場の臨場感を引き上げる手書きメニューの黒板にも、抗いがたい魔力が潜んでいる。並ぶつまみはわずか10品余り。初めて訪れたときはこれだけ? と拍子抜けしたが、それも一瞬のこと。パテ、グラタンときて、カルパッチョや自家製の平打ちパスタも。しかもワインバーには珍しく、牡蠣やマハタにアオリイカといった魚の名が点在。聞けば、オーナーシェフの仲西正和さんは、和食割烹を皮切りに、イタリアンや、名ビストロ『uguisu』でも腕を磨いてきた。黒板に並ぶのは、和、伊、仏の技を集約したつまみたちだ。紹介する「メヒカリの唐揚げは、はっと驚くほどに完璧な火入れ。繊細な身がほろりとほどけ、にんにく風味の自家製ピリ辛マヨネーズソースと溶け合い、思わず後をひく。キンと冷やした白ワインを用意して、ぜひつくっていただきたい。

和食割烹を皮切りに、イタリアンや、名ビストロ『uguisu』を経て2021年7月に『WINE BAR WEST』を開店。黒板には少数精鋭の「和伊仏つまみ」が並び、食いしん坊からワイン好きまで全方位で魅了する。ワイン愛も強く、産地の特色と醸造家のサイドストーリーを臨場感たっぷりに解説してくれるから、一杯を味わった先に広がる景色も違う。
| メヒカリ | 8尾(小) |
|---|---|
| 薄力粉 | 適量 |
| 片栗粉 | 適量 |
| 塩 | 適量 |
| サラダ油 | 適量 |
| ピリ辛マヨネーズ | 適量(下記参照) |
| レモン | 適量 |
| ★ 〈ピリ辛マヨネーズ〉 | つくりやすい分量 |
| A | |
| ├ 卵黄 | 3個分(室温に戻す) |
| ├ ディジョンマスタード | 大さじ1と1/2 |
| ├ レモン | 1/6個(搾り汁) |
| └ 塩 | 2つまみ |
| にんにく | 2片 |
| グレープシードオイル | 400ml |
| ピマンデスペレット | 適量(*) |
*フランスはバスク地方の唐辛子パウダー。パプリカパウダーで代用可。
ボウルにAを入れる。

ゴムベラで混ぜる。

オイルを糸のように細く垂らしながら混ぜ続ける。一気にオイルを加えると分離してしまうので注意。

にんにくのすりおろしを加え混ぜる。

仕上げに水を5滴ほど加えて混ぜると完全に乳化する。

使う分だけソースを別の器に移し、ピマンデスペレットを入れて混ぜたらソースは完成。

メヒカリは鱗を取り、胸ビレの付け根から頭を切り落とす。

次に腹部を腹ビレまで斜めに切り落とす。

流水にあてながら、内臓をかき出し、残った鱗も洗い流す。

キッチンペーパーで水気をふく。

薄力粉と片栗粉、同量をボウルに入れてよく混ぜたらメヒカリにまぶす。

180℃の油でカラッと揚げる。

指で衣を触り、パリッと揚がっていればOK。

網を敷いたバットで油をきり、塩をまぶして器に盛る。

ピリ辛マヨネーズとレモンを添えたら完成。


文:安井洋子 撮影:長野陽一