
もともとはスペイン料理のシンプルなスープ。セージの香りとしっかりとした旨味が魅力で、朝ごはんにうってつけ!料理研究家のキム・ナレさんに、気どらないおかずをたくさん教えていただきました。
韓国料理というと、「辛くてにんにくをたくさん使うもの」だと思われがちですが、キム・ナレさんの料理は素材を生かした優しい味。だから日本の家庭にも受け入れられやすく、主宰する料理教室は常に満席。
「韓国では手で混ぜることで、自分のエネルギーが料理に入るといわれています。味もなじみやすくなるし、調整もしやすい。韓国のお母さんたちは、手を駆使してさまざまな料理をつくってきたんですね」と話すキム・ナレさんも、現在、2歳の男の子の子育て真っ最中。忙しい日々をどうやってやりくりしているか聞いてみたところ、「とにかく段取りが肝心!」と教えてくれました。
「毎日、朝ごはんは何にしよう、夫のお弁当は?夕飯は?と考えているうちに時間が過ぎてバタバタするのが嫌なんです。だから前日の夜に家にある食材を書き出して、翌日のメニューを考えておきます。ときにはカラーイラストを描くことも。そうすれば、起きてすぐに動ける。忙しいときほど、この作業が欠かせません」
常備している食材は、自家製キムチと長ねぎ、大好物のトマト。以前は頻繁に買い出しに行っていましたが、最近は冷蔵庫が空っぽになってから買いに行くようにしたら、余計なものを買いすぎることもなく出費がぐんと減ったとか。あるもので何がつくれるかを考えているうちに、献立力も身につきます。
「家では、たくさんの食材を使って凝った食事をつくる必要はありません。シンプルな料理をいくつかつくり慣れておくと、思い立ったらすぐにできるから助かりますよ。すごく疲れているときは、豆もやしの炊き込みご飯にヤンニョムをのせて食べるだけでも十分に満足できますから」
今回はキム・ナレ家でよく登場する、気どらないおかずをたくさん教えていただきました。一度つくってみれば、韓国唐辛子を常備したくなること間違いなし!
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にんにく | 1片 |
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卵 | 2個 |
鶏だし | 500ml(*) |
セージの葉 | 1枚(あれば) |
パプリカパウダー | 小さじ1 |
塩 | 適量 |
*鶏だしは、水1.5Lに手羽先500g、塩小さじ1、長ねぎの青い部分2本、生姜スライス2切れを入れて1時間ほど煮てから漉す。冷ましてから冷凍保存しておくと便利。
鍋に鶏だしを入れ、半分に切って芯を取り除いたにんにくと、あればセージを加えて火にかける。沸騰したら蓋をして弱火にし、10〜15分ほど煮る。
にんにくが柔らかくなったらパプリカパウダーと塩で調味する。
強めの弱火にし、卵を1個ずつ割り入れて蓋をする。好みの固さになるまで煮る。半熟なら3〜4分を目安にして。
器に盛り、好みでオリーブオイル(分量外)を回しかける。
韓国・仁川(インチョン)出身。服部栄養専門学校を卒業後、地中海料理のレストラン勤務を経て、2015年より韓国料理教室を主宰。雑誌、書籍、テレビなどで料理家として活躍中。近年は、文献から古のレシピを研究することに夢中。
この記事は『四季dancyu 2024春』に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:宮濱祐美子