野菜や肉のおいしさがダイレクトに味わえて、木の香りがほのかに食材に移るせいろ蒸しがお薦め。生姜だれの生姜は2種の切り方に。みじん切りは食感を楽しめ、すりおろしは食材とのからみがよくなります。簡単につくれる薬膳レシピを料理家の齋藤菜々子さんに教えてもらいました。
料理家になって体によい料理を提案したい。そんな夢を持った私でしたが、栄養についてはまるで素人。
栄養素の名前を覚えるだけでも大変ですし、「1日何グラム食べるとよい」といった提案は、実践や継続が難しいと感じていました。
その点、薬膳はとてもシンプルです。薬膳には食べてはいけない食材や調理法がありません。おおらかで自由度が高く、食の楽しみを奪わない食養生であるところが私に合っていました。
薬膳とは、中医学(中国の伝統医学)の考えに基づき、食べる人の体調や体質、季節に合わせて食材を選んでつくる料理のこと。薬ではないので強力な効能はありませんが、それがよさでもあります。
調子が悪い人も健康な人も日常的に口にすることができ、食べ続ければ確実に心身によい影響を与えます。
そのために、誰でも継続できるように「身近な食材を使うこと」「簡単でおいしくつくれること」をつねに意識してレシピを考えています。
香りがよいので、和洋中を問わず、料理のアクセントになります。生で食べれば、発汗を促し、体の毒素を排出します。加熱すると体を芯からじんわり温めます。免疫力の向上も期待できます。
生姜 | 3片(30g) |
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豚バラ肉 | 120g(薄切り) |
ブロッコリー | 1/2株(175g) |
グリーンアスパラガス | 4本 |
新じゃがいも | 2個(300g) |
A | |
・ 塩 | ふたつまみ |
・ 酒 | 小さじ2 |
胡麻油 | 大さじ1と1/2 |
B | |
・ 味噌 | 大さじ1と1/2 |
・ 酢 | 大さじ1 |
・ 砂糖 | 小さじ2 |
生姜はすりおろしたものを小さじ1用意し、残りは粗みじんにする。ブロッコリーは小房に分ける。アスパラは根元を3cmほど切り落とし、根元からほどの皮をピーラーでむき、長さを半分に切る。じゃがいもは皮付きのまま4等分に切る。豚肉は長さ5~6cmに切る。
せいろにクッキングペーパーを敷き、じゃがいもを並べる。鍋に湯を沸かしてせいろをのせ、蓋をして強火で7分ほど蒸す。火を止めてじゃがいもの上に豚肉を並べ、Aをふる。空いているところにブロッコリー、アスパラも入れ、蓋をして再び強火にかけて5分ほど蒸す。
小鍋に胡麻油と粗みじんにした生姜を入れ、弱めの中火にかける。生姜から気泡が出てきたら混ぜながら1分ほど加熱し、Bを加えて混ぜる。煮立ったら火を止め、すりおろした生姜を加えて混ぜる。
小皿に②の野菜や肉をとり、③のたれをかける。
「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、雑誌、書籍、ウェブなどを中心に、身近な食材を使った家庭で実践しやすい薬膳を提案。『基本調味料で作る体にいいサラダ』(主婦と生活社)、『整いカレー』(文化出版局)、『レンチン薬膳ごはん』(家の光協会)など多数
この記事は『四季dancyu 2024春』に掲載したものです。
文:佐々木香織 写真:安彦幸枝