大原千鶴さんの「今宵のあて」
シンプルだけど味わい深い「ひとりモツ鍋」

シンプルだけど味わい深い「ひとりモツ鍋」

寒い冬に欠かせないお鍋。ひとり鍋にすると自分のペースで味わえ、鍋の締めも好みのものを楽しめます。でもモツ鍋は、モツ(ホルモン)の扱いが難しそうだけどーー。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんにつくり方とそのコツを教えていただきます。

濃厚なホルモンともスープとも合う米焼酎をお湯割りで

モツ(ホルモン)は扱いが難しいと思われがちですが、新鮮な生ホルモンを丁寧に下処理されたものを選べば、さっと熱湯に通すだけでOKなんです。

野菜はシンプルにキャベツとにらだけ。この2つが抜群にホルモンとの相性がいいので余計なものは入れません。

ホルモンは脂が多く、煮込むとプリプリの食感になり、脂が溶けたスープがどんどん美味しくなります。牛肉の脂はバターのような味がし、この旨味を吸ったキャベツが最高に美味!いくらでも食べられてしまいます。

鍋は入れる順番や食べるタイミングが大事ですが、モツ鍋はお好みでぐつぐつ炊いて、具材をクタクタにしても構いません。お酒は、まったりとしたにんにく風味のスープと相性の良いお湯割りの米焼酎。プリプリのホルモンともよく合い、体をしっかり温めてくれます。

残ったスープでいただくアフターもぜひ!ご飯、うどん、ラーメンなどお好みで。

ひとりモツ鍋のつくり方

材料材料 (小鍋・内径13~14cm・容量約800ml 1個分)

キャベツ200g
にら1/2束(50g)
モツ130g(牛の生ホルモン)
A
・ 水400ml
・ 薄口醤油大さじ1と1/2
・ 鶏がらスープの素小さじ2(顆粒)
・ にんにく1/2片(すりおろす)
にんにく1/2片(4~5枚に薄切り)
白胡麻適量
粉唐辛子適量(韓国産、中挽きのもの)

1野菜を切る

キャベツはざく切りにし、にらは7cmほどの長さに切る。

2ホルモンの下準備

ホルモンは食べやすい大きさに切り、熱湯にくぐらせ、ザルに上げて水気をきる。

ホルモンの下準備

3ホルモンを煮る

鍋にAを入れて混ぜ、中火にかける。沸いたら、②を加える。

4野菜を煮る

再び沸いてきたらアクを取り、ホルモンが煮えたら、①のキャベツを入れる。キャベツがしんなりと煮えたら、①のにらをのせ、にんにく(薄切り)をちらし、胡麻と粉唐辛子をふる。ひと煮たちしたら完成。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。