
インドテイストの肉じゃがカレー。南インドならではのココナッツミルクが、まろやかでコクのある味わいをつくってくれます。生姜の香りがきいたレモンライスもお薦め。インド&スパイス料理研究家の渡辺玲さんに、スパイスを駆使した本格的な南インドカレーのつくり方を教わりました。
インドでは食べる地域が少ない豚肉を使った、南インドテイストのカレーだ。トマトとココナッツで肉のクセを取るから食べやすく、インド風肉じゃがカレーの趣をもつ。肉は肩ロースがおすすめ。白いご飯でももちろん旨いが、生姜とレモンをきかせたご飯を合わせると、夏は特においしい。
| 豚肉 | 400g(切り落とし) |
|---|---|
| 玉ねぎ | 1個(200g) |
| じゃがいも | 2~3個(200g) |
| ピーマン | 1個 |
| にんにく | 大さじ1/2(すりおろし) |
| 生姜 | 大さじ1/2(すりおろし) |
| ホールトマト | 1カップ(缶詰) |
| ココナッツミルク | 1カップ |
| サラダ油 | 大さじ3 |
| 塩 | 小さじ2 |
| 水 | 1/2カップ |
| ★ ホールスパイス※ | |
| ・ クミンシード | 小さじ1 |
| ・ シナモンスティック | 3cm |
| ・ クローブ | 4個 |
| ・ カルダモン | 4個 |
| ・ ローリエ | 1枚 |
| ★ パウダースパイス | |
| ・ ターメリック | 小さじ1/4 |
| ・ カイエンペッパー | 小さじ1/2 |
| ・ コリアンダー | 小さじ2 |
| ★ レモンライス | |
| ・ ご飯 | 3合 |
| ・ 生姜 | 大さじ2(みじん切り) |
| ・ ピーマン | 1個(粗みじん) |
| ・ サラダ油 | 大さじ2 |
| ・ 塩 | 小さじ1/2 |
| ・ レモン汁 | 大さじ4 |
| ・ 赤唐辛子 | 2本(鷹の爪) |
| ・ ターメリック | 小さじ1/2強 |
※ ホールスパイスはすべて省略可。
豚肉は大きければ食べやすい大きさに切る。玉ねぎは縦半分に切ってから横半分に切り、端から薄切りにする。
じゃがいもとピーマンは一口大の乱切りにする。
鍋にサラダ油を入れて中火にかけ、ホールスパイスを加えて鍋を揺すりながら加熱する。
香りが立ったら玉ねぎを入れて強めの中火にし、玉ねぎの周囲が少し色づくまで約5分炒める。
弱めの中火にしてにんにくと生姜を加えて混ぜ、香りを出す。
ホールトマトとピーマンを加えて軽く混ぜる。
パウダースパイスと塩を加えて混ぜ、強火にして水を加え、混ぜながら沸騰させる。
豚肉とじゃがいもを加えてよく混ぜながら火を通す。肉の色が変わってきたらココナッツミルクを加え、蓋をして弱火でときどき混ぜながら煮込む。
フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、赤唐辛子を丸ごと加える。辛いのが苦手な人は種を取ること。少し色づいたら、弱火にして生姜とピーマンを入れて30秒ほど炒め、さらにターメリックとご飯を加えて火を止める。レモン汁と塩を加え、ターメリックのきれいな色がつくまで、切るようにして混ぜる。
約10分煮込んでじゃがいもがやわらかくなったら中火にし、蓋をせずに3分煮込む。味をみて足りなかったら塩(分量外)で味をととのえて出来上がり。

日本のインド料理研究の第一人者。1960年生まれ。レコード会社のディレクターなどを経てインド料理店の厨房に入る。インドと日本を往復しながらインド料理と文化への造詣を深める。『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)、『新版 誰も知らないインド料理』(光文社知恵の森文庫)など著書多数。
※この記事は『技あり!dancyu カレー』に掲載したものです。

文:中村裕子 写真:石井雄司