尾身奈美枝さんの“フードロサない”アフターレシピ
買い過ぎた"プルコギ"が激変!10分で完成する"ビーフストロガノフ"

買い過ぎた"プルコギ"が激変!10分で完成する"ビーフストロガノフ"

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。前回に続き、お届けするテーマは“プルコギ”。大胆なアレンジレシピに、目からウロコが落ちるはず!

ストックした“プルコギ”に飽きたら……

韓国ブームを受けて、会員制大型スーパーや業務用スーパーで大人気の“プルコギ”。1~2kgという大容量でリーズナブルに売られているので、余ったら生のまま小分けにして冷凍しておく人も多いのだとか。どんなに“プルコギ”が好きでも、飽きてしまいそうだが……どうですか、尾身さん?

「プルコギ丼やチャーハンにしても、しっかりした甘めの味つけは変わらないですもんね。冷凍したことで安心してしまって、忘れされられる運命かも……。そんなときに、何かいい食べ方がないかなと思っていたら、いいアレンジが浮かんだんです!」

プルコギ
味つけしたプルコギ肉。冷凍庫にストックしておくうちに、死蔵されがち。

そう言うやいなや、尾身さんが冷蔵庫から取り出してきたのは、なんとサワークリームとマッシュルーム!韓国料理からは遠い食材ばかりだが……。

「あるときピピッとひらめいたの。サワークリームを合わせたら、“プルコギ”が“ビーフストロガノフ”になるんじゃないかって。試しにつくってみたら、ビンゴ!すごくおいしくできたんです。これはもう、だまされたと思って試してほしい!」

尾身さん
サワークリームとマッシュルームで"プルコギ"が激変します!

ロシア人も驚き、あの煮込み料理に!

“ビーフストロガノフ”は、牛肉やマッシュルームを炒めて煮込み、スメタナという酸味のある乳製品を加えてまろやかに仕上げるロシア料理だ。同じ牛肉料理であるということ以外は、“プルコギ”との共通点は皆無。

そんな心配をよそに、プルコギとマッシュルームを炒めていく尾身さん。そして、スメタナに近い味わいのサワークリームを大胆に投入!10分足らずで豪華な一皿が出来上がってしまった。これはもう百聞は一食にしかず、である。さっそく味わってみると、なんと“ビーフストロガノフ”になっている!しかも、アジア人になじみ深い醤油が隠し味になっているからか、ものすごくご飯に合うのだ。

「驚きでしょ?ポイントはまず、マッシュルームの旨味を加えること。これが“ビーフストロガノフ”らしい味のベースになるんです。そして、サワークリームの酸味を加えること。生クリームでつくると、酸味がないので味がぼんやりしてしまいます。これを食べたら、“プルコギ”をストックしておきたくなるかも!」

本家を超えるおいしさの“プルコギストロガノフ”。一度食べたら、やみつきになること間違いなし!

“プルコギストロガノフ”のつくり方

完成

材料材料 (2人分)

プルコギ150g
マッシュルーム100g(5~6mm厚さに切る)
玉ねぎ50g(スライス)
オリーブオイル大さじ1
バター20g
サワークリーム1パック(180ml)
100~150ml
小さじ1/4
黒胡椒適量
温かいご飯適量
パセリ適量(みじん切り)

1プルコギを炒める

フライパンにオリーブオイルをひいて中火にかけ、プルコギを炒める。火が通ったら、ボウルなどに取り出しておく。

プルコギを炒める

2マッシュルームと玉ねぎを炒める

同じフライパンを再び中火にかけてバターを溶かし、マッシュルーム、玉ねぎを加えてじっくり炒める。

マッシュルームと玉ねぎを炒める

3サワークリームを加えて煮る

プルコギと水を加えて、ひと煮立ちしたら、1~2分煮る。サワークリーム、塩を加えて2~3分煮て酸味をとばし、全体がなじむまで煮る。黒胡椒をたっぷり加えて味をととのえたら出来上がり。器にご飯を盛り、プルコギストロガノフを添えて、パセリをふる。

サワークリームを加えて煮る
サワークリームを加えて煮る

教える人

尾身奈美枝 料理研究家・フードコーディネーター

尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。

文:大沼聡子 撮影:海老原俊之

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。