ヒラヤーチーは沖縄の言葉で「平焼き」を意味するお好み焼きやチヂミ、ガレットにも似た沖縄料理です。おやつやお酒のつまみとしてもぴったりです。料理ユニットのオカズデザインに手軽でもちゃんとおいしく仕上がるレシピを教えてもらいました。
「時間がおいしくしてくれるもの」をテーマにレシピを提案し、おいしさのための手間暇を惜しまないオカズデザイン。とはいえ日常の忙しさのなかで、「疲れたから料理が面倒」「遅くなってしまったからすぐに食べたい」という気持ちになることもよくあるとか。
「東京なら外食もできるけれど、岡山・蒜山にいるときは食べに行くお店もありません。そんなときのために、常備しているものがいくつかあるんです。まずは豆腐やお揚げ、おからといった大豆製品と、乾燥のお麩。肉や魚がなくてもボリュームが出るし、満足感も高い。あとは自家製の花椒オイルやラー油、にら醤。焼いた野菜や肉、魚にかけたり、ゆでた麺を和えたりするだけで、一品があっという間に完成します」
余裕があるときにつくり置きしておくと助かるのは、自家製調味料だけではありません。
「豚や鶏は買ってきたらすぐ、生姜や長ねぎの青いところ、お酒や泡盛と一緒にゆでます。旨味たっぷりのだしは冷凍しておき、ゆでた肉は自家製調味料を添えてメイン料理に」
火が通りやすい素材を活用するのもポイント。
「夏野菜は生で食べられるものも多いし、加熱時間が短くても大丈夫だから、暑い時期に助かりますよね。時間がかかる豆も、皮なしのタイプなら水に浸す必要もなく、すぐに使えて便利です」
そして、できた料理は好きな器に盛ることも大切。「時間がなくても器を選んで丁寧に盛りつけるというひと手間は省かないようにしています。見た目で満足感は変わるもの。シンプルな料理を格上げしてくれるのが、器の力なんです」
片栗粉を混ぜることで、外側はカリッと香ばしく、中はむっちりジューシーな焼き上がり。お好みで、柚子胡椒や七味、酢醤油を添えても美味。
ズッキーニ | 小1本(130g) |
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にら | 2~3本 |
薄力粉 | 30g |
片栗粉 | 小さじ1/4 |
A | |
・ 水 | 60ml |
・ 鰹節 | ひとつかみ |
・ 塩 | 小さじ1/4 |
サラダ油 | 大さじ3 |
胡椒 | 少々 |
ズッキーニは幅5mmの斜め切りにしてから細切りにする。にらは長さ4~5cmに切る。ボウルに入れ、薄力粉と片栗粉を加えて全体にまぶしてから、Aを加えてよく混ぜる。
フライパンに油大さじ2を入れて中火で熱し、①を入れて広げる。こんがりと焼き色がついたら胡椒をふって裏に返し、残りの油を加えてもう片面も焼き色がつくまで焼く。何度か裏返しながら5~6分焼き、最後は強火にして10秒ほどで両面をカリッと焼き上げる。
吉岡秀治・吉岡知子による料理ユニット。東京と岡山・蒜山旧中和村の二つの場所を拠点としながら書籍や広告のレシピ制作をはじめ、映画やドラマの料理監修などを手がけている。器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープン。『NHK連続テレビ小説 ちむどんどんレシピブック』など著書多数。
この記事は四季dancyu 2023 夏に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:宮濱祐美子