きじまりゅうたさんの偏愛食材レシピ
パリッパリの皮がたまらない"手羽中といろいろ野菜のロースト"

パリッパリの皮がたまらない"手羽中といろいろ野菜のロースト"

ハムのような弾力とパリッパリの皮がたまらない一品です。時間がなければ漬け込み時間を短縮してもOK。料理研究家のきじまりゅうたさんに大好きな食材とそれを使ったレシピを教えてもらいました。

買い物は毎日。なじみの八百屋さんとスーパーをチャリではしごします

コロナ禍下の2021年に結婚しました。妻は学校の講師。家事は分担制で、ご飯づくりは俺の担当です。空腹の妻を待たせないように、調理に時間のかからない食材をつい買っちゃいますね。鶏手羽中、豚しゃぶ肉、さつま揚げなんかは旨味も強いからかなり出番が多いです。

在庫管理が苦手で食材をダメにしちゃうので、自宅ではあえて極小サイズの冷蔵庫を使っています。一週間分のまとめ買いなんてムリ!だから買い物は毎日行きます。メンドウに思うかもしれないけど、一度に買う量が少ないから案外ラクなのよ。絶対に立ち寄るのは八百屋さんね。季節の移り変わりが手に取るようにわかるし、その日一番の野菜が並んでるでしょ。素材が旨いとあれこれ手を加える必要がない。結果的に調理の時短にもつながります。

料理家三代目として常に意識しているのは「調味料は誰でも知っているもの、食材は地元のスーパーや八百屋さんで売っているものを使う」という祖母の教え。仕事だけじゃなくプライベートでも祖母の言葉通り、日々、愛車のチャリで実践しています。

“手羽中といろいろ野菜のロースト”のつくり方

鶏手羽中は焼いてよし煮てよし。火の通りが早い。骨から旨味が出る。意外に安いと、いいことずくめ。スーパーに行くと無意識にカゴに入れちゃいます。とくに手羽中を半分に切った「ハーフ」(店によって「スティック」「スペアリブ」など呼び方いろいろ)が便利。

材料材料 (2人分)

鶏手羽中ハーフ12本(300g)
じゃがいも小4個(200g)
ししとう6本
アボカド1個
A
・ 水100ml
・ 醤油小さじ2
・ 砂糖小さじ2
・ 塩小さじ1
B
・ オリーブオイル小さじ2
・ 塩小さじ1/4
適量
レモン1/4個分(くし形切り)

1手羽中を漬け込む

手羽中とAをポリ袋に入れ、2時間以上漬け込む。

2野菜類をカットする

じゃがいもは皮付きのまま耐熱皿に並べてラップをかけ、電子レンジ(600W)で3~4分加熱する。粗熱が取れたら半分に切る。ししとうは縦に1本切り目を入れる。アボカドは半分に切って種を取り、皮付きのまま縦に四つ割りにする。

3じゃがいもを焼く

じゃがいもとししとうはBをからめ、アボカドは塩をふる。魚焼きグリルに並べ、焼き色がつくまで焼く。

4手羽中を焼く

③の野菜を取り出し、①の手羽中を並べて濃いきつね色になるまで焼く。

5仕上げ

器に③と④を盛り、レモンを添える。

完成

教える人

きじまりゅうた

きじまりゅうた 料理研究家

祖母は村上昭子、母は杵島直美。多彩な家庭料理を肌で学びながら育つ。アパレルメーカー勤務を経て料理の道に。同世代のリアルな目線でつくるアイデアメニューが持ち味。趣味はサーフィンと音楽鑑賞。著書は『材料2つだけ! きじま流極旨レシピ』(ワン・パブリッシング)、『まいにち絶品!「サバ缶」おつまみ』(青春出版社)など多数。

この記事は『四季dancyu 2023 夏』に掲載したものです。

四季dancyu 2023 夏
四季dancyu 2023 夏

文:佐々木香織 写真:安彦幸枝

佐々木 香織

佐々木 香織 (ライター)

福島出身の父と宮城出身の母から生まれ、東北の血が流れる初老の編集ライター。墨田区在住。食べることと飲むことが好き。お酒は何でも飲むが、とくに日本酒と焼酎ラヴァー。おもな仕事は新聞やウェブでの連載、雑誌や書籍の編集・取材・執筆。テーマは食べもの、お酒、着物など。