刺激的な香りが食欲をそそるラムとかぶのスパイス煮込み　雑穀米添え

高品質で種類豊富なEU食材

ヨーロッパの多様な土壌と歴史、そして多彩な文化が絡み合い育まれてきたEU食材は、いまや私たちの食卓に欠かせない存在です。チーズやワイン、オリーブオイルをはじめ肉やシャルキュトリー、鮮魚、果物、調味料、穀物、スパイス、製菓材料などバラエティーに富み、とりわけ日本で手に入るものは安全性・品質ともに「世界一厳しい」といわれるEUの生産基準をクリアしたものばかり。

料理家の野口真紀さんは普段の食事はもちろん、ホームパーティーや自身が主宰する料理教室でもEU食材を愛用しているそう。

「EU食材の魅力をひと言で言えば、味わいが緻密で深いこと。神経を払って料理をしなくても、食材の力に任せるだけで誰でもおいしく仕上がるところですね。食品の安全性もしっかり管理されているので、家族や友人にも安心して食べさせられます」（野口さん）。
　
無類のワイン好きとしても知られる野口さんが今回試みたのは、大葉、みょうが、山椒など初夏に旬を迎える“和の香味”との組み合わせ。EU食材が持つ味わい深さ、芯の強さに、生き生きとした軽やかさが加わり、見事にワインを誘う味わいに仕上がっている。

「違和感がないのはもちろん、互いの風味がより引き立ってハッとするようなおいしさになりました。EU食材の包容力も改めて感じましたね」（野口さん）。

両者の相性の良さにインスピレーションを受けた、野口さん会心のコラボレシピ。ワインラヴァーはもちろん、食を愛する私たちに晴れやかな幸福の時間を約束してくれる。

今回使うEU食材は……

スペイン・エクストレマドゥーラ産ラムチョップ PGI

仔羊らしいミルキィな香りとなめらかな肉質は、スペイン・メリノ種ならでは。広々とした飼育環境と徹底した生産管理でPGI（地理的表示保護）認定を受けており、臭みがほとんど出ない生後3ヶ月の仔羊肉にこだわっている。ピュアな味わいを活かすにはシンプルなローストや軽い煮込みがおすすめだ。

キプロス産オリーブオイル

トロードス山脈の裾野に広がる丘陵地帯は、オリーブ栽培にとって理想の地形。若草やグリーンフルーツを思わせる爽やかで力強い香り、マイルドなスパイシーさ、サラリとした口当たりなどオリーブがもつ様々な表情を完璧なバランスで引き出している。オリーブの枝を描いた国旗デザインからも、その情熱の深さが伝わってくる。

リトアニア産オーガニックマスタードシード

古代ギリシャ・ローマの時代から医薬品や香辛料として栽培されてきたマスタード。カレーのスタータースパイスとして欠かせないだけでなく、粒を軽くすりつぶして塩やビネガーを加えれば、自家製マスタードがつくれるのも魅力。つぶつぶの食感や、フレッシュな香りと辛味は手づくりならではの醍醐味。オーガニックであれば、なおさら安心。

ポルトガル産マデイラ酒PDO

ポルトガルのマデイラ島でつくられる酒精強化ワイン。辛口～甘口の4タイプがあり、開栓後1ヵ月ほど日持ちする点も嬉しいポイント。美しい琥珀色、熟成した華やかな風味に魅了されるマデイラ酒ファンも多く、夏には炭酸で割って飲むスタイルも人気だ。辛口タイプは伸びやかな酸と甘味のバランスが良く、食中酒に最適。

スペイン産ラムとかぶのスパイス煮込み　雑穀米添えのつくり方

「肉のなかではラムが一番好きですね。特に骨付きラムは煮込むと骨からいい出汁が出て味に深みが生まれ、かぶの野趣あふれるおいしさと良く合います」と野口さん。ラムと日本の根菜が織りなす味わい豊かなスープを、もっちりとした雑穀米が受け止めて大満足の一皿に。熟成感のあるマデイラ酒が料理に寄り添い、より奥深い味わいに。マデイラ酒は炭酸で割ってもおいしい。

1下準備

ラムチョップに塩大さじ1／2をすりこみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫でひと晩マリネする。

2野菜を切る

かぶは6等分のくし形に、パプリカは一口大に切る。玉ねぎはみじん切りにし、トマトとパクチーは粗く刻む。にんにく、しょうがはすりおろす。

3野菜を炒める

鍋にオリーブオイルを入れて熱し、②の玉ねぎを中火でじっくり炒める。玉ねぎがきつね色になったらクミンシード、マスタードシード、カレー粉、塩小さじ1を加える。

4ラムを加える

③の鍋に②のトマト、にんにく、しょうがを加えてさらに炒め、トマトが全体になじんだら、①のラムを加える。

5煮込む

ラムの両面に焼き色がついたら、②のかぶ、パプリカ、水3カップ（分量外）を加える。沸騰したらアクを取り除き、蓋をして約20分煮込む。

6仕上げ

塩、胡椒で味を調える。皿に盛り、②のパクチーを散らす。雑穀米を添える。

認証マークについて

原産地呼称保護（PDO）および地理的表示保護（PGI）は、特定の地域で生産され、特定の伝統的な生産工程を経た製品の名称を保護するものです。ただし、この2つには違いがあり、主に原材料のどれだけがその地域で生産されているか、あるいは生産工程のどれだけが特定の地域で行われているかに関連しています。ヨーロッパの食品と飲料は、欧州大陸の文化的多様性と豊かな土地を反映しています。
3つ目の、EUオーガニック認証「グリーンリーフ」は、有機農産物に関するEUの厳格なガイドラインを遵守していると認められた製品に付けられます。各工程の95％以上がEU規制当局により「オーガニック」と認められた製品にのみ「グリーンリーフ」ラベルが表示されています。