軽いおつまみにぴったりのおひたし。でも、おだしをとるのが面倒と思う人は多いはず。わざわざだしをとらなくてもできる、ラクラクおひたしがあるとしたら。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。
トマトは旨味や酸味、甘味があるので、それだけで美味しくいただけます。手をかけずにささっとつくると、そのほうがトマトの持ち味が生きることもあります。このおひたしはまさにそんなおつまみです。
ミニトマトは、口当たりよく、軽やかな味わいで、湯むきして丸のままおひたしにすると味が入りやすくなります。だしの旨味を生かした料理は、満足感があるのにカロリー控えめで、お酒と楽しむおつまみにはぴったりです。
ただ、少量のだしをとるのはちょっと面倒ですよね。私はいつも冷蔵庫に水だしをストックしていますが、これはパック入りの鰹節を水に入れて、醤油で味をつけた即席だし。このだしに、トマトに鰹節がくっつかないように、キッチンペーパーの上にトマトをのせて浸すだけで出来上がります。
色鮮やかなトマトに合わせるのは、ウォッカ。ジャスミンティーで割ると華やかさがぐんと増します。
ミニトマト | 5個 |
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★ ひたし地 | |
・ 水 | 200ml |
・ 鰹節パック | 1袋(2~3g)(小) |
・ 薄口醤油 | 大さじ1 |
柚子の皮 | 少々(せん切り) |
鍋に湯を沸かしたところに、ミニトマトを入れて10秒間ほどゆでて冷水にとり、皮をむく。
ボウルにひたし地の材料を入れて厚手のキッチンペーパーを置き、①のミニトマトをのせる。冷蔵庫で1時間以上置く。
ミニトマトを取り出して半分に切り、漬け汁も少しかけ、柚子の皮を飾る。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ