乾燥と生、椎茸のダブル使いで旨味も香りも食感もアップ!玉ねぎの甘味が、全体をまろやかにまとめます。食べると元気になる野菜パスタを食文化研究家である北村光世さんに教えてもらいました。
「イタリアに、同じきのこを乾燥と生、両方使ってつくるパスタがあるのよ。それを日本のきのこの代表・椎茸でつくってみました」。小さく切った干し椎茸はコンキーリエの中に、平たく切った生椎茸はコンキーリエの外側に、と椎茸の力強い滋味をしっかり堪能できる。酒の肴にもぴったり。
干し椎茸 | 20g(もどす*) |
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生椎茸 | 110g |
玉ねぎ | 小1/4個分(30g)(粗いみじん切り) |
エクストラバージンオリーブオイル | 大さじ2~3 |
コラトゥーラ | 約小さじ1/2~1(またはナムプラー) |
胡椒 | 少々 |
★ パスタ | |
・ コンキーリエ | 130g |
・ 水 | 1.5L |
・ 塩 | 大さじ1弱 |
★ 仕上げ用 | |
・ エクストラバージンオリーブオイル | 大さじ1 |
・ パルミジャーノチーズ | 大さじ2~3(すりおろし) |
・ イタリアンパセリ | 小さじ2(茎はみじん切り、葉は粗いみじん切り) |
*水120mlに浸し、やわらかくなるまでもどす。
干し椎茸は軽く絞る。もどし汁100mlにコラトゥーラを加えて混ぜる。軸の根元のかたい部分を除き、5~6mm角に切る。生椎茸は軸の根元のかたい部分を除き、大きければ半分に切ってから幅2~3mmに切る。
フライパンにオリーブオイル、玉ねぎを入れて中火にかけ、木ベラで炒める。玉ねぎが透き通ったら、①の干し椎茸を加えてよく混ぜ、①のコラトゥーラを加えたもどし汁を加え、蒸し煮にする。コンキーリエ用に鍋に水を入れて中火にかけ、沸騰したら塩を加えて再沸騰させる。コンキーリエを入れてよく混ぜ、ゆで始める。
②の水分が少なくなってきたら、①の生椎茸を加えて蓋をし、時々混ぜながら、炒め煮にする。
③の生椎茸がしっとりしたら、コンキーリエのゆで汁50mlをとって加えてよく混ぜ、胡椒で味をととのえる。
コンキーリエは表示のゆで上がり時間の1分前になったら、手早くかたさをチェックする。アルデンテの状態になっていたら、ザルにあけ、水気をきって鍋に戻す。オリーブオイル、パルミジャーノ、④を順に加えてそのつど手早く木ベラで混ぜる。からみにくいようならゆで汁少々を加え、パセリをふって混ぜる。
京都生まれ。アメリカ留学後、青山学院大学で長年教鞭をとる。30年以上にわたって地中海地域をはじめとする世界各国を旅し、あるいは生活しながら、風土ありきの食文化や料理を研究。また、イタリア・パルマの郊外に拠点をもち、イタリアと日本の文化交流にも力を注ぎ続けている。
※この記事の内容はプレジデントムック技あり!dancyu「パスタ」に掲載したものです。
文:遠藤綾子 写真:牧田健太郎