「乾麺の魅力を引き出すNo.1ソースは、材料もつくり方も極めてシンプルなトマトソースです」と北村光世さん。じっくりと加熱して引き出したにんにくの濃厚な旨味がポイントです。食べると元気になる野菜パスタを食文化研究家である北村光世さんに教えてもらいました。
特にイタリア南部で愛されているトマト。その持ち味をストレートに生かした濃厚なソースは、南部生まれの乾麺とやっぱり相性抜群!「シンプルなトマトソースではゆっくり加熱して、旨味をしっかりと引き出したいので、にんにくは大きめに。トマトを加えるときは油がはねるので、一度火を止めるといいですよ」
★ トマトソース | 約1/3量(※下記はつくりやすい分量) |
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・ トマト | 2缶(800g)(缶詰) |
・ 塩 | 少々 |
・ にんにく | 大1片分(7~8mm角に切る) |
・ エクストラバージンオリーブオイル | 100ml |
・ 赤唐辛子 | 小1本(種を除く) |
・ オレガノ | 少々(乾) |
★ パスタ | |
・ スパゲッティ | 160g |
・ 水 | 2L |
・ 塩 | 大さじ1強 |
深めのフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、中火にかける。フライパンを傾け、にんにくをオイルの中で泳がせながら加熱する。にんにくのまわりにプクプクと大きめの泡が立ったら唐辛子を加え、木ベラで混ぜて加熱する。
にんにくが色づく手前で火を止め、缶にキッチンばさみを差し入れてトマトを切りながら缶汁ごと加える。やや強めの中火にかけ、木ベラで混ぜながら煮る。
フツフツと煮立ってきたら弱めの中火にし、トマトとにんにくを木ベラでつぶしながら煮る。8分煮て、表面や鍋底のオイルが赤みを帯びてきたら、塩で軽く味をととのえる。オレガノを手でもみながら加えてよく混ぜ、火を止める。スパゲッティ用に鍋に水を入れて中火にかけ、沸騰したら塩を加えて再沸騰させる。スパゲッティを加えてよく混ぜ、ゆで始める。
③の約1/3量をフライパンに入れて中火にかけ、スパゲッティのゆで汁50mlを加えてよく混ぜる。汁気が少ないようなら、さらにゆで汁を加える。
スパゲッティは表示のゆで上がり時間の1分前になったら、手早くかたさをチェックする。アルデンテの状態になっていたら、ザルにあけ、水気をきって④に加えて木ベラかトングで混ぜる。汁気が少なくてからみにくいようなら、さらにゆで汁適量を加えて混ぜる。
京都生まれ。アメリカ留学後、青山学院大学で長年教鞭をとる。30年以上にわたって地中海地域をはじめとする世界各国を旅し、あるいは生活しながら、風土ありきの食文化や料理を研究。また、イタリア・パルマの郊外に拠点をもち、イタリアと日本の文化交流にも力を注ぎ続けている。
※この記事の内容はプレジデントムック技あり!dancyu「パスタ」に掲載したものです。
文:遠藤綾子 写真:牧田健太郎