小堀紀代美さんの誰かを呼ぶ日のご馳走レシピ
蒸して甘味を引き出した"新玉ねぎのオニオングラタンスープ"

蒸して甘味を引き出した"新玉ねぎのオニオングラタンスープ"

手間暇がかかるオニオングラタンスープを、炒めるのではなく蒸すことで、時短かつおいしくつくれるという嬉しいレシピです。おもてなし上手と評判の料理家の小堀紀代美さんに、ゲストに喜んでもらえるちょっとしたご馳走レシピを教わりました。

元気かな?と思い浮かんだあの人を招いて

料理は好きだけれど、毎日の義務となると疲れてしまう。それは多くの人が感じていることかもしれません。そんなときは外食を楽しむのもいいし、市販品に頼るのもいい、手抜きをするのももちろんよし。だけど逆に友人を招いて料理でもてなす、というのも、マンネリ化した料理気分を盛り上げるのに効果的なのです。

人を招くというと手の込んだ食事を出さなくては、と気負いがちですが、この連載でご紹介してきた小堀さんのレシピは普段のごはんの延長線上。慣れないものをつくって失敗する心配もないし、突然のお客様でも安心です。器使いやメニューの組み合わせ、食材の選び方で、ちょっと華やかに見せるのが小堀さん流のおもてなし術。和食のような洋食のような、どこのレストランでも食べられない家庭ならではの料理は、一見レストランのようにおしゃれでも、つくってみれば簡単で日々の夕食のスタメンになるものばかりです。

最終回の今回も、やっぱり手軽ですぐにできて、でもおいしくて新鮮な驚きのあるレシピをたくさんご紹介します。門出の祝福やお花見といったハートウォーミングな春の集まりに最適ですよ。

“新玉ねぎのオニオングラタンスープ”のつくり方

オニオングラタンスープというとたっぷりの玉ねぎを飴色になるまで長時間かけてじっくり炒めるのが大変……。
そのハードルをぐっと下げてくれるのがこちらの新玉ねぎを蒸してつくるレシピです。
仕上げに、チーズをのせてこんがり焼いたパンをのせることで、オーブンなしでもつくれるのがうれしいところ。

材料材料 (5人分)

新玉ねぎ3個分(約600g)(繊維と垂直に薄切り)
バター15g
ベーコン30g(細切り)
ローリエ1枚
小さじ1/2
白ワイン大さじ2
醤油小さじ1/2
バゲット10枚(厚さ1cmにスライス)
シュレッドチーズ30g
パルメザンチーズ適量
七味唐辛子適量

1蒸し煮にする

厚手の鍋にバターとベーコンを入れて中火にかけ、香ばしくなるまで炒める。新玉ねぎとローリエ、塩を加えて蓋をし、7~8分蒸し煮にする。

2白ワインを加える

白ワインを加えて鍋底から大きく混ぜ、蓋をして弱火にし、さらに20分蒸し煮にする。

3醤油を加える

水200mlを加えて7~8分煮込み、醤油を加えて混ぜる。味をみて足りなければ塩(分量外)で調える。

4バゲットを焼く

天板にクッキングペーパーを敷き、バゲットを並べ、それぞれにシュレッドチーズを等分にのせ、パルメザンチーズを小さじ1/2ずつと七味少々をふる。220℃のオーブンまたはトースターで、チーズがこんがりするまで7〜8分焼く。

5仕上げ

③を器に盛り、④のバゲットを2枚ずつのせる。

完成

教える人

小堀紀代美

小堀紀代美

料理家。料理教室「LIKE LIKE KITCHEN」主宰。大きな洋菓子店である実家をルーツとし、世界各地への旅で出合った味をヒントに、センスあふれるレシピを考案。とことん試作をくり返すため、「本当においしくつくれる!」と評判を呼んでいる。著書に『ライクライクキッチンの旅する味 予約のとれない料理教室レッスンノート』『ごはんにかけておいしい ひとさライス』など多数。夫と愛犬サンデーの2人と1匹で暮らす。

この記事は四季dancyu 2023 春に掲載したものです。

四季dancyu2023春
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いつもの食卓をちょっと格上げ

A4変型判(120頁)
2023年3月10日発売/1,200円(税込)

文:藤井志織 写真:山田 薫

藤井 志織

藤井 志織 (編集・ライター)

フリーランスで、主に雑誌や書籍、WEB、企業の販促物などで編集や取材、執筆を行うほか、イベントの企画やディレクションを行うことも。担当した書籍に、草場妙子著『TODAY’S MAKE BOOK 今日のメイクは?』、石井佳苗著『DAILY LIFE』、重信初江著『昔ながらのおかず』、オカズデザイン著『マリネ』、nestRobe著『SLOW MADEな服づくり』、小堀紀代美著『LIKE LIKE KITCHENの旅する味』、ウー・ウェン著『100gで作る北京小麦粉料理』などがある。