あてに重宝するチーズは、素材や味を重ねると新たな美味しさが生まれます。チーズ+海苔と聞くと、ありがちな組み合わせと思われますが、これは食べてびっくりの韓国風の和え物。海苔を和え衣にするひと技、調味料との一体感を生むポイントとは。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。
チェダーチーズはそのまま食べても美味しいけれど、プラスαでもっと味わい深いおつまみになります。合わせたのは焼き海苔で、味つけはにんにくや胡麻の風味。韓国風の和え物に仕上げています。つくり方は簡単で、チーズににんにくや胡麻油をからませ、海苔で和えるだけ。チーズはプロセスチーズだったら、何を使っていただいても構いません。
よく味がからむようにチーズは手でちぎっていて、海苔は少しの水を加えて佃煮風にしています。
お酒は、チーズや海苔の濃厚な美味しさに合う旨味が感じられる山廃の日本酒を選びました。チーズをひとつまみ、海苔をひと舐めしながらいただくと、お酒が止まりません。酒盃はお酒を注ぐと丸い玉が現れる、不思議な「玉盃(たまはい)」。輝く玉を眺めていると、深い世界に連れて行ってくれます(笑)。
チェダーチーズ | 20g |
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焼き海苔 | 1/2枚 |
水 | 小さじ1 |
A | |
・ 胡麻油 | 小さじ1/2 |
・ おろしにんにく | 少々 |
・ 細ねぎ | 少々(小口切り) |
・ いり胡麻 | 少々(白) |
・ 粉唐辛子 | 少々(韓国産・中挽き) |
チェダーチーズは小さめに手で割る。
ボウルに海苔を手で細かくちぎりながら入れ、水をふってしんなりとさせる。
Aを入れてさっと混ぜ、①のチェダーチーズを加えて混ぜ合わせる。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ