南仏でおなじみの玉ねぎのパイです。練らずにまとめたパイ生地のさっくりとした歯ざわりも心地よく、あめ色に炒めた玉ねぎのこっくりとした甘さとアンチョビや黒オリーブの熟れた塩気が絶妙にマッチします。料理研究家の荻野恭子さんから、日々役立つ調味料を習いました。
玉ねぎの量はお好みで、もっとたっぷりとのせてもおいしい。おもてなし料理にもぴったり!
★ パイ生地 | |
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薄力粉 | 150g |
バター | 75g |
溶き卵 | 大さじ1(*1) |
牛乳 | 大さじ1 |
★ フィリング | |
玉ねぎ | 1個分~(薄切り) |
アンチョビ | 4~8枚(*2) |
黒オリーブ | 8粒(種抜き) |
オリーブオイル | 大さじ2 |
*1 溶き卵の残りはとっておく。
*2 アンチョビの量はいわしの大きさと塩気により加減する。
ボウルに薄力粉とバターを入れ、両手で粉をすくいながら指先でバターをつぶし、粉とすり合わせる。
全体がパラパラとした粉チーズ状になったら、溶き卵と牛乳を加え、ざっくりとひとまとめにする。練ったり折ったりする必要はない。
②をポリ袋の中央に入れ、直径18cmほどの円盤状にのばす。ポリ袋の周囲をたたんでまとめ、室温で15分ほど休ませる。
フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、玉ねぎをきつね色になるまで炒め、冷ましておく。玉ねぎの量は好みでもっと増やしても。
休ませた③をポリ袋の上から直径25cmほどに丸くのばして袋を切り開き、オーブンペーパーに移す。
生地の縁を指で内側に立ち上げ、2cmほどの高さを出す。
天板にのせ、立ち上げた縁の部分に溶き卵の残りを塗る。中に を敷き詰め、ちぎったアンチョビ、オリーブを散らす。200℃に予熱したオーブンで20分焼く。
料理研究家。世界中を旅しながら現地の家庭やレストランで料理を習い、食文化を研究するのがライフワーク。これまでに訪れた国は65カ国以上。特に“塩”は長年追いかけ続けているテーマの一つで、近著に『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)がある。ほかに『手づくり調味料のある暮らし』(暮しの手帖社)など著書多数。自宅で料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。
※この記事の内容は、『四季dancyu 2022冬』に掲載したものです。
文:鹿野真砂美 撮影:伊藤徹也