荻野恭子さんの手づくり調味料レシピ
これだけで味が決まる万能調味料"アンチョビと魚醤"をつくろう!

これだけで味が決まる万能調味料"アンチョビと魚醤"をつくろう!

自家製のアンチョビをつくる過程で、魚醤もつくれます!自家製だからこその美味しさを、ぜひ味わってみてください。料理研究家の荻野恭子さんから、日々役立つ調味料を習いました。

“アンチョビ+魚醤”のつくり方

発酵と熟成を経て独特の旨味と塩気をたたえたアンチョビは、そのままではもちろん調味料やアクセントとしてさまざまな料理に大活躍。

材料材料 (つくりやすい分量)

真いわし*300g(小さめのもの)
いわしの正味量の30〜40%
オリーブオイル1/2〜1カップ
ローリエ1枚
赤唐辛子1本

* 真いわしはなるべく小さめで脂の少ないものを選ぶ。片口いわしが手に入れば、より本格的になる。

1内臓をとる

いわしは目立つ鱗があれば包丁の背でこそげ取り、頭とお腹を切り落とし、内臓の残りはかき出す。

内臓をとる

2洗う

①を流水でよく洗い、キッチンペーパーで水気をしっかり拭く。

洗う

33枚におろす

包丁で中骨に沿って3枚におろすか、手開きにする。身のついた骨は、もったいないのでよく揚げて骨せんべいに。

3枚におろす

4塩をまぶす

③のフィレのみ重さを量ってバットに並べ、重量の30〜40%の塩をまんべんなくまぶす。初めてつくるときは40%がお薦め。慣れてきたら塩を減らしても。

塩をまぶす

5発酵させる

ラップをかけ、室温の涼しいところに1〜2日置くと塩が浸透して水分が出てくるとともに、乳酸発酵する。

発酵させる

6魚醤の完成

⑤をフィレと水分に分ける。水分は魚醤として活用を。タンパク質で濁っているが、火入れをすると透明になる。保存瓶に入れ、さらに熟成が進むと色合いが茶色くなってくる。

魚醤の完成
魚醤の完成

7仕上げ

フィレの水分を拭き取って保存瓶に詰め、ローリエ、唐辛子を入れ、瓶の口までオリーブオイルを注ぐ。

完成

教える人

料理研究家 荻野恭子

料理研究家 荻野恭子

料理研究家。世界中を旅しながら現地の家庭やレストランで料理を習い、食文化を研究するのがライフワーク。これまでに訪れた国は65カ国以上。特に“塩”は長年追いかけ続けているテーマの一つで、近著に『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)がある。ほかに『手づくり調味料のある暮らし』(暮しの手帖社)など著書多数。自宅で料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。

※この記事の内容は、『四季dancyu 2022冬』に掲載したものです。

四季dancyu 2022冬
四季dancyu 2022冬
いつもの食卓をちょっと格上げ

A4変型 判( 120 頁)
ISBN: 9784833481748
2022年12月13日発売 / 1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:伊藤徹也

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。