尾身奈美枝さんの“フードロサない”アフターレシピ
骨まで愛して!ローストチキンの締めは"ラーメン"で

骨まで愛して!ローストチキンの締めは"ラーメン"で

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案。前回に続き、クリスマスの“ローストチキン”の残りを“ロサない”レシピ。骨までしっかり味わい尽くします!

“ローストチキン”は骨まで“ロサない”!

ローストチキン
尾身さん流、絶品ローストチキン。鶏を食らわば骨まで!?

前回、尾身さんに教えてもらったのは、“ローストチキン”の焼き方と、残ったお肉をほぐしてパンに挟む“ローストチキンのサンドイッチ”。まさか、もうこれで食べつくしたと思っていませんか?そう、まだ“骨”が残ってます!

「お肉を食べつくして残った骨は、まさに鶏ガラ。鶏の旨味は骨髄から出てくるので、骨がくずれるくらいまで、時間をかけてコトコト煮出せば、絶品のスープが取れるんです。この味を知ってしまうと、捨てるのがもったいなくなるはず!」

尾身さん
残ったローストチキンの骨、まさか捨ててませんよね?

そう言いながら、鍋を開けて見せてくれた尾身さん。おお、これはまさに鶏白湯!お玉ですくうととろりとして、すでにそそられる香り。まさか、ローストチキンの骨にこんなお楽しみがあったなんて……。

鶏白湯
しっかり煮込んで白濁した鶏白湯。濃厚な旨味と香りがたまらない!

“ローストチキンの鶏白湯”でつくる絶品“ラーメン”

さて、この鶏白湯の楽しみ方は、もちろん“ラーメン”だ。「わざわざ鶏ガラを買ってきて、スープをとってラーメンをつくるのは大変だけど、ローストチキンの骨があれば、気軽にやってみようと思えるでしょ?」と尾身さん。

好みの中華麺を少しかためにゆでて丼に入れたら、熱々の鶏白湯を注いで、ローストチキンのお肉と小ねぎをトッピング。スープを味わうラーメンなので、シンプル・イズ・ザ・ベスト!骨と一緒に玉ねぎなどの香味野菜を加えて煮出すことで、野菜の甘味や香りも溶け込んでいるためか、しっかりパンチが効いているのにまろやかな味だ。

「ローストチキンの骨は、強めの火加減で煮出すのがコツ。静かに“コトコト”ではなく、しっかり“ゴトゴト”っていう感じです。そうすると、骨の髄までしっかり煮出すことができ、白濁したスープがとれます。今年のクリスマスは、ローストチキンの“骨まで愛して”!(笑)」

“ローストチキンの鶏白湯ラーメン”のつくり方

ローストチキンの鶏白湯ラーメン

材料材料 (2人分)

中華麺2玉
残ったローストチキン適量
小ねぎ適量(小口切り)
黒胡椒少々
★ 鶏白湯
・ 残ったローストチキンの骨1羽分
・ 水2.5リットル
・ 玉ねぎ1/2個(ざく切り)
・ 長ねぎの青い部分1本分
・ 人参1/3本(ざく切り)
・ 黒胡椒小さじ1(ホール。白胡椒でもよい)

1骨をしっかり煮出す

鍋に水、玉ねぎ、長ねぎの青い部分、人参、黒胡椒、水を入れる。そこへ、ローストチキンの骨を割って加え、強めの中火にかけて沸騰させる。浮いてきたアクをすくってから蓋をして、ゴトゴトさせながら1時間ほど煮込む。

骨をしっかり煮出す
骨をしっかり煮出す

2骨を砕く

しっかり骨の旨味を煮出したら、蓋を外して、木ベラで骨を突いて砕く。蓋はせずに、さらに30分ほど煮込む。

骨を砕く

3濾して麺を加える

ザルで濾し、再び鍋に戻して中火にかけて温め、塩小さじ1+ひとつまみ、白胡椒少々(各分量外)で味を調えたら、鶏白湯の完成(出来上がり量は約700ml)。中華麺を袋の表示通りにゆでて丼に入れ、鶏白湯を注ぐ。残ったローストチキンと小ねぎをのせ、黒胡椒をふる。

濾して麺を加える

教える人

尾身奈美枝 料理研究家・フードコーディネーター

尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。

文:大沼聡子 撮影:伊藤菜々子

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。