辻 仁成の"パリ・サラダ"｜第三十四回"いちじくのサラダ"

時間がないパリジェンヌに愛されるサラダ

サラダを美味しくさせる秘訣というのがあります。それはとっても簡単。旬の果物や野菜、チーズにオリーブオイル、つまり、美味しい素材を使えばいいのです。

いちじくとシェーブルチーズの組み合わせはフランスの定番。フランスのいちじくは日本のものより小ぶりですが、その分、ぎゅっと味が凝縮していて、とても美味しいのです。

ということで、このサラダを作る場合、とにかく産地にことさら注力するところから始まるわけです。

たとえば、いちじくならば南フランス・ソリエス産、シェーブルチーズならクロタン・ド・シャビニョル産、オリーブオイルはイタリア産かギリシャ産、バルサミコ酢はフランス・ノルマンディーで作られたもの、フランス産のアカシアはちみつを使い、塩はカマルグのフルール・ド・セル、という鉄壁な布陣で挑みます。まさに譲れないものばかり……、産地が勝負のサラダというわけです。

秋はことさら、恋愛や仕事に忙しいパリジェンヌたち。出来るだけ簡単につくれて美味しいものを目指すパリジェンヌだからこそ、産地だけは譲れないわけですね。日本で作る場合も、同じように、セレクトに神経を使ってくださいませ。

ぼくの知り合いのパリジェンヌたち、みんな、八百屋でもスーパーでも目を光らせて、旬のほんものを探しています。

ということで、今日は、いちじくとシェーブルチーズの組み合わせが、驚くほどに大胆で最高な健康サラダをご紹介したいと思います。

もう、これは簡単過ぎて、美味し過ぎて、笑いがとまらなくなりますよ。

ぼくは胡桃が大好物なので、今日は、いちじく＋胡桃＋シェーブルチーズの黄金の組み合わせでまいります！！！

いちじくのサラダのつくり方

1胡桃の下準備

フライパンを弱火にかけ胡桃を炒り、蜂蜜を入れて、くるみを蜂蜜でコーティングする。

2お皿に盛る

お皿にルッコラを盛り、適当な大きさに切ったいちじくを並べ、シェーブルチーズを指で崩しながら散りばめる。（量はお好みで）

3仕上げる

さらに蜂蜜をコーティングした胡桃もちりばめ、オリーブオイル、バルサミコ酢、フルール・ド・セル、粗挽き黒胡椒をふりかけたら、あらあら、あっという間に、もう完成です。樽香の効いたブルゴーニュ産の辛口の白ワインと一緒に頂きたいですね。ボナペティ！！！