高タンパクで低カロリー。その上、財布にやさしく、いろいろないただき方ができる豆腐は、日々のおかずやおつまみに欠かせません。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、お酒にぴったりのシンプルな豆腐料理のつくり方とそのコツを教えていただきました。
豆腐はそのままで美味しくて、アレンジもあれこれできるすぐれもの。京都では「京とうふ」といって、木綿豆腐のような味わいと、絹ごし豆腐のようになめらかな食感を併せ持った豆腐をよくいただきます。でも、今回使ったのは、手に入りやすい木綿豆腐。豆の旨味としっかりとした食感が特徴で、最近あまり見なくなった「からし豆腐」をイメージしてつくりました。
豆腐は水を多く含んでいるので、ほとんどの料理に水きりが必要です。加減はお好みですが、適度な水きりができていると、途中で水が出てこず、豆腐が崩れません。切り方を変えるだけで食感や口あたりが変わり、今回はチーズのようにカットしました。
豆腐にからし、海苔をのせ、巻くのは銘々で。こうすれば巻いた海苔がしんなりせず、からしや醤油の量も加減できるからです。油気のあるものを使っていないので、罪の意識なくたくさん召し上がっていただけますが、そのぶんお酒も進みますので、呑みすぎにご注意ください(笑)。
お酒は、日本酒はもちろんのこと、芋焼酎のロックもよく合いますよ。
木綿豆腐のからし海苔巻きは、京都の夏の定番豆腐で、お椀形の豆腐の中に、海苔で包んだ和がらしを入れ、上から青のりを振ったもの。半分に切って、中のからしを醤油に溶いていただきます。
木綿豆腐(小) | 1/2丁(約120g) |
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溶きからし | 適量 |
海苔 | 適量 |
濃口醤油 | 適量 |
豆腐をキッチンペーパーで包んで重石をのせ、30分以上置いて、水気をきる。
豆腐を食べやすい大きさに切り、器に盛り、からしをのせ、海苔を添える。海苔で巻いて醤油につけていただく。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ