トルコの家庭料理
赤レンズ豆のスープ"メルジメッキ チョルバス"

赤レンズ豆のスープ"メルジメッキ チョルバス"

豆のやさしい甘味ととろみが魅力のスープ。ほっとする味わいで身体もじんわり温まる。驚くほど多彩な味わいを持っているトルコ料理をユーラシア大陸の料理の研究をライフワークとする荻野恭子さんに教えて貰いました。

“メルジメッキ チョルバス”のつくり方

トルコを代表するスープ。普段はもちろん、おもてなしのはじめにも、「まずは温まってください」とスープが供されます。赤レンズ豆のやさしい甘さととろみに、テルビアの香味が溶け込んでしみじみ。アクセントにレモンを搾っても。

材料材料 (4人分)

★ スープ
・ 赤レンズ豆1/2カップ(乾燥)
・ 玉ねぎ1/4個(50g)
・ にんじん1/4本(50g)
・ 水800ml
・ トマトペースト大さじ1
・ 塩小さじ1
★ テルビア
・ バター大さじ2
・ ドライミント小さじ1
・ チリペッパー小さじ1/4
レモン1/2個分(4等分のくし形に切る)

1煮る

鍋に塩以外のスープの材料をすべて入れて中火にかける。沸いたら20分ほど煮て、豆が煮崩れたら塩で味を調える。

煮る
豆と野菜が煮崩れるまでしっかりと煮る。これをミキサーにかけてポタージュ状にするのが本式だが、道具がなければすりつぶさずにそのままでも。

2撹拌する

1をミキサーやハンドブレンダーにかけて、なめらかなポタージュ状にし、鍋に戻し入れる。

3仕上げ

小さなフライパンにバターを入れて火にかけ、溶けたらミント、チリペッパーを入れてしっかりと煮立たせ、2の鍋に加えて混ぜる。器に盛り、レモンを添える。

仕上げ
溶かしたバターに粉唐辛子やハーブを加えたものをテルビアと言い、トルコではスープの仕上げなどに使われる。
完成

教える人

荻野恭子

荻野恭子

おぎの・きょうこ●料理研究家。栄養士。世界65カ国以上を訪れて家庭料理を学び、食文化を研究している。料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」主宰。『家庭で作れるトルコ料理』(河出書房新社)、『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)など著書多数。

※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 春のレシピ
四季dancyu 春のレシピ
A4変型 判(120頁)
2022年3月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。