切り身の鯛でカジュアルにつくります。優しい塩味の上品なご飯に仕上がります。桜の花の塩漬けや木の芽などをあしらって春爛漫に。和食のおいしさを再確認。塩味をつくる塩、醤油、味噌の3つを軸に、余分な調味料を省いた「これで決まり」の引き算料理を料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。
真鯛がおいしい時期は春と秋。春の産卵前の鯛は「桜鯛」、秋のものは「もみじ鯛」と呼ばれます。「めでたい」と縁起をかついでよろこび事には欠かせない魚です。
鯛の切り身 | 大2切れ(正味200g、皮付きの刺身用のサクでも) |
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★ 鯛の下味用 | |
・ 酒 | 大さじ2 |
・ 塩 | 小さじ1/3 |
米 | 2合 |
水 | 2合(360ml) |
だし昆布 | 5cm四方1枚 |
酒 | 大さじ2 |
塩 | 小さじ2/3 |
桜の花の塩漬け | 12~16個(あれば) |
木の芽 | 適量 |
米は洗ってザルにあげ、20~30分置いて水をきる。
鯛は骨などを取って長さを半分に切り、厚さ1cmに切ってボウルに入れ、下味用の酒、塩をふってまぶし、10分ほど置く。
土鍋に米、水、昆布を入れて30分ほど浸し、昆布を取り出して酒、塩で調味して混ぜ、鯛を並べる。
土鍋を強めの中火にかけ、煮立ってきて水分がほぼなくなったら(約10分)、弱火にして12~15分炊き、火を止めて10分ほど蒸らす。
桜の花の塩漬けは水で洗い、たっぷりの水に10分ほどさらして水気を絞る。
鯛めしが炊きあがったらしゃもじで底から混ぜ、桜の花を散らして器に盛り、木の芽をのせる。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。
文:中村裕子 写真:竹内章雄