しっとりとした豚肉に、りんごの酸味と甘味が絶妙に絡まります。乳製品や米、生ハムといった特産品を使ったしっかり旨味のある北イタリアの家庭料理を、料理家の山内千夏さんに習いました。
トレンティーノはりんごの名産地。スライスしたりんごに守られながら、じっくりと火入れした豚肉はしっとり。たっぷりのバターと肉の旨味を吸い込んだりんごが、シンプルながらとびきり上等なソースになります。
豚肩ロース肉 | 600g(塊) |
---|---|
りんご | 3個 |
バター | 50g(食塩不使用) |
ローズマリー | 2枝 |
白ワイン | 100ml |
塩 | 適量 |
胡椒 | 適量 |
豚肉はたこ糸で縛って形を均等に整え、まんべんなく塩、胡椒をまぶす。
りんごは6等分にして皮をむいて芯を取り、いちょう切りにする。
フライパンにバターを入れて中火にかけ、1の豚肉の表面に焼き色をつける。
オーブンに入れられる浅鍋を用意し、2のりんごを敷き詰めた上に3の豚肉とローズマリーをのせ、フライパンに残ったバターを回しかける。180℃に予熱したオーブンに入れ、45~50分焼く。鍋の蓋はしなくていい。
途中でいったん取り出し、鍋底にたまった焼き汁を肉の表面にかけ、乾かないように焼き上げる。焼き汁が少なかった場合は、オリーブオイル(分量外)をかける。
肉の中心まで火が通ったら(金串を刺して透明な肉汁が滲んでくるのが目安)、ローズマリーと一緒に取り出し、豚肉はアルミ箔で包み、ソースを仕上げるまでやすませる。
鍋に残ったりんごに白ワインを加えて中火にかけ、木ベラでりんごを軽くつぶすように加熱し、ソースをつくる。豚肉をスライスし、りんご、ローズマリーとともに器に盛る。
やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子