完成まで二晩と本格的なつくり方ですが、豚肉と鶏肉のしっかりとした旨味に、きのことゆり根の風味が絶妙にマッチした逸品です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
パテ・ド・カンパーニュはフランス語で田舎風パテという意味をもつ、フランスの伝統料理。少しかしこまった雰囲気を出したいから、ガラスのように透明感がある質感と、凛としたフォルムが特徴の安藤由香さんの器にのせて。空や海を切り取ったようなシックなブルーグレーの色合いが、パテの輪郭を引き立たせてくれます。絵画のように美しいひと皿は、年末年始の華やかな食卓にももってこい。きのこやゆり根を入れることで、季節感も味わえます。栗を入れても美味。
A | |
---|---|
・ 豚肩肉※ | 600g |
・ 鶏もも肉※ | 500g |
・ 鶏レバー※ | 200g |
B | |
・ 玉ねぎ | 中1個 |
・ にんにく | 1/2株 |
きのこ | 600g(マッシュルーム、舞茸、しめじなど) |
ゆり根 | 1玉(1枚ずつはがす) |
C | |
・ 卵 | 2個 |
・ 生パン粉 | 80g |
・ 白ワイン | 20ml |
・ カルバドス | 大さじ1 |
グラッパ | 小さじ2(またはオレンジキュラソー) |
・ 岩塩 | 22g |
・ 粒マスタード | 大さじ2 |
・ 白胡椒 | 3g |
D | |
・ タイム | 6枝(フレッシュ) |
・ ローリエ | 1枚 |
・ ジュニパーベリー | 10粒 |
※すべて混ぜて包丁で粗めのミンチにしておく。
Bを皮付きのまま170℃のオーブンで30分加熱する。皮をむいて玉ねぎは100g分とにんにく全量を合わせて包丁で細かくたたき、なめらかにする。
きのこは一口大にほぐし、バター大さじ1(分量外)を加えて強火で炒め、しんなりしたらゆり根を加え、軽く塩(分量外)をふる。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れておく。
Aをボウルに入れて1を加え、底に氷水を当てて冷やしながら、木ベラでしっかりとこねる。粘り気が出てきたら、Cを加えて混ぜる。まとまったら、2を加えてさらに混ぜる。
型にバター(分量外)を塗り、3を空気を抜きながら詰める。Dをのせ、冷蔵庫で一晩ねかせる。
冷蔵庫から出して常温にもどし、型より一回り大きな鍋(オーブン対応のもの)に入れる。型の9分目くらいまで鍋に湯を注いで蓋をし、180℃のオーブンで40~50分焼く(最後の10分は蓋をはずす)。竹串を刺して出た汁が透明だったら焼き上がり。冷ましてから冷蔵庫に入れ、一晩ねかせる。
汁気を分けてバルサミコ酢適量(分量外)と合わせて小鍋に入れ、弱火にかけて煮詰めてソースにする。冷ましてからEXV.オリーブオイル(分量外)を少しずつ加えて乳化させ、好みの濃さに調整する。
切り分けて器に盛り、6のソースを添える。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也