一時間以上かけてじっくり熱を通した大根は、シンプルながら驚くほど旨味が感じられます。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
釉薬を吹きかけては焼くという工程を何度も繰り返してつくられた、野口悦士さんの器。静かだけど存在感のあるドラマチ ックな器には、潔く大根のステーキだけをのせて。器のニュアンスのある佇まいが素材の表情を引き立ててくれるので、何も添えなくても美しい景色となります。冬のおいしい大根は、塩をふって水分を引き出してから、1時間以上かけてじっくりとフライパンで焼くのがコツ。じわじわと加熱した大根ならではの旨味を堪能して。
大根 | 3cm幅4個 |
---|---|
塩 | 適量 |
菜種油 | 大さじ1 |
大根の両面に塩をしっかりふり、10分ほどおく。キッチンペーパーで水気を拭く。
フライパンに菜種油を熱し、1を入れてごく弱火でじっくりと焼く。ときどき上下を返し、フライパンの中で場所を変えながら、中心に火が通るまで1時間~1時間半ほどかけてじっくりと焼く。
器に盛り、好みで黒胡椒や柑橘の皮のすりおろし、一味唐辛子(各分量外)をふる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也