砂糖とバターだけで食べる混じりけのないクレープです。シンプルだからこその素朴で飽きない味わいです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
砂糖とバターだけで粋に食べるパリの下町風のクレープは、生地のおいしさが身上。見た目も味もシンプルな料理だからこそ、適当な器に盛るのはNGです。きちんと舞台を用意して、フォークとナイフで食べることで、おなじみのおやつがとっておきのデザートに。吉村和美さんの月白、青磁、鳩羽という名前を持つ淡いブル ーのグラデーションの器にのせてみたら、粉の焼き色がよく映えてとてもきれい。コーヒーや紅茶もいいけれど、ここはやっぱり赤ワインで。夕方からのアペロタイムにも素敵です。
小麦粉 | 95g |
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溶かしバター* | 25g |
A | |
・ 牛乳 | 150g |
・ 水 | 35g |
・ 卵 | 1個 |
・ 砂糖 | 7g |
・ 塩 | 3g |
オリーブオイル | 大さじ1/2 |
砂糖 | 適量 |
バター | 5mm角4個 |
*生地用のバター(食塩不使用)は溶かしておく。
Aをフードプロセッサーに入れ、なめらかになるまで撹拌する。
1に溶かしバターを加えてさらに撹拌する。
さらにふるった小麦粉を加え、こまめにフードプロセッサーを止めながら撹拌する。まわりについた粉も混ぜて、全体がとろりとなめらかになったら、ボウルなどに移して冷蔵庫で一晩ねかせる。
直径20cm程度のフッ素樹脂加工のフライパンを中火で温める。いったん濡れ布巾の上に置いて温度を落としてから、オリーブオイルを入れて全体になじませる。レードル1杯(約40ml)の生地を薄く流し、全体に行き渡らせる。
1~2分ほど焼き、端が焦げて全体に焼き色がついたら、フライ返しで上下を返す。裏面も10~20秒ほど焼き、皿に取り出す。これを繰り返す。
生地の上半分に砂糖をまんべんなくふり、バター1個分を散らして四つ折りにする。熱いうちにいただく。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也