季節の「引き算」料理
干物でつくる"秋刀魚のペペロンチーノ"
秋刀魚のペペロンチーノ 秋刀魚のペペロンチーノ

干物でつくる"秋刀魚のペペロンチーノ"

干物の魅力は凝縮する旨味と、旬を逃しても出会える日持ちの良さ。秋刀魚も干物であれば、一年中楽しむことができます。旨味を逃さずフライパンに残る秋刀魚をしっかり刮げ落としましょう。塩味をつくる塩、醤油、味噌の3つを軸に、余分な調味料を省いた「これで決まり」の引き算料理を料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

“秋刀魚のペペロンチーノ”のつくり方

一年中楽しみたいから、あえて干物で。旨味が凝縮していて、おいしさが際立ちます。しかも下味いらずです!

材料材料 (2人分)

スパゲッティ160g
スパゲッティをゆでる塩大さじ1
★ 秋刀魚ソテー
・ 秋刀魚2尾(一夜干し)
・ 胡椒少々
・ 小麦粉適量
・ オリーブオイル大さじ1
オリーブオイル大さじ2
にんにく1片分(みじん切り)
赤唐辛子1~2本分(輪切り)
パセリ大さじ4~5(みじん切り)
少々
胡椒少々
レモン汁適量

1秋刀魚ソテーをつくる

秋刀魚は頭を切り落として中心から縦に切り離し、中骨を取って腹骨をそぎ取り、両面に胡椒をふって小麦粉をまぶす。フライパンにオリーブオイルを熱して秋刀魚の身を下にして入れ、中火で両面を色よく焼きつけて取り出す。

秋刀魚ソテーをつくる
小麦粉をまぶして焼きつけるとカリッと香ばしく、また香りよく仕上がります。

2にんにくを炒める

フライパンをさっと洗って水気を拭き、オリーブオイル、にんにくを入れて弱火で炒める。

3秋刀魚をほぐしながら炒める

にんにくの香りが出たら秋刀魚を戻し入れて赤唐辛子を加え、木ベラで秋刀魚の身をほぐしてパセリを加えて炒める。

秋刀魚をほぐしながら炒める
木ベラの先でフライパンに押しつけるようにして身をほぐしていきます。食べごたえがあるように、大きめでOK。

4スパゲッティを加える

塩を加えたたっぷりの熱湯にスパゲッティを入れ、表示時間どおりゆでてザルにあげて(ゆで汁はとっておく)、フライパンに加える。

5全体を混ぜる

スパゲッティのゆで汁大さじ2ほどを加えて炒め合わせ、塩、胡椒で調味し、レモン汁をふって全体をざっと混ぜて手早く器に盛る。

完成
干物は毎日の料理にどんどん使っていきたい食材。下処理もいらず、旨味が凝縮。冷凍保存も可能だから忙しい日のためにストックしておくのもおすすめ。

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、四季dancyu 「秋のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 秋のレシピ
四季dancyu 秋のレシピ
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833480536
2021年09月13日発売/1,100円(税込)

文:中村裕子 写真:竹内章雄

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。