大原千鶴さんの「今宵のあて」
同割の砂糖、醤油、酒でつくる甘辛醤油だれをからめた「れんこん入り鶏つくね」

同割の砂糖、醤油、酒でつくる甘辛醤油だれをからめた「れんこん入り鶏つくね」

少し冷え込むと欲しくなるのが、しっかり味のおつまみ。そんなときにあると喜ばれるのが、つまみにもおかずにもなる鶏つくね。たれさえしっかりつくれば、味のぶれなく、甘辛醤油味が完成します!食感のよいれんこん入りの鶏つくねをいかに手早く、最短時間で美味しくつくるか。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに教えていただきました。

丸みのあるナチュラルワインの赤と合う

焼鳥屋さんに行くと、必ず頼んでしまう「鶏つくね」。家庭ではフライパンで焼いて、たれをからめるスタイルで、さほど凝ったことはしなくてもたれの配合を守れば、簡単に味が決まります。

つくねは鶏ミンチ肉と玉ねぎだけでもいいのですが、アクセントにシャキシャキとした食感のれんこんを加えています。れんこんはすりおろしたものも使っていて、これで生地がトロッとしてまとまるんです。よく練った生地を丸めながら次々とフライパンに並べ入れて、ふっくら仕上がるように蓋をして焼きます。

両面を蒸し焼きにして、つくねにあらかた火が通ったら、あとはたれをからめるだけ。このたれは迷いなく味つけができる、甘辛醤油味のシンプルな定番だれです。とても簡単な配合で、砂糖1、醤油1、酒1の同割。まずはこの分量でつくっていただき、ちょっと甘いな、辛いなと思ったら、好みの分量に加減してください。

たれを加えたら、つくねにからめながらたれを煮詰めていきます。フライパンを回しながらつくねを動かして全体にからめ、たれがトロッとなったら完成です。加熱しすぎるとつくねが硬くなってしまうので手早く煮詰め、このちょっとしたコツが美味しさを引き出します。

ジューシーで滋味たっぷりの、おかずにもおつまみにもなる一品。日本酒にも合いますが、卵黄をつけていただくと赤ワインがぴったり!ナチュラル感たっぷりの赤ワイン、ジュリアン・ピノーがお薦めです。

れんこん入り鶏つくねのつくり方

材料材料 (約10個分)

★ 鶏つくね
・ 鶏もも挽き肉200g
・ 玉ねぎ40g
・ れんこん60g
・ 片栗粉大さじ1
・ 胡麻油小さじ2
・ 塩小さじ1/4
★ たれ
・ 砂糖大さじ2
・ 醤油大さじ2
・ 酒大さじ2
・ おろしにんにく少々
卵黄2個
白胡麻適宜
粉唐辛子*適宜

*韓国産、中挽きのもの

1材料を切る

玉ねぎはみじん切り、れんこん40gはみじん切り、残りはすりおろす。

材料を切る

2つくねをつくる

ボウルに①とつくねの残りの材料を入れて、よく練る。

3焼く

フライパンに胡麻油小さじ1(分量外)を入れて中火にかけ、②を丸めながら並べ入れて蓋をして焼く。片面焼けたら上下を返し、もう一度蓋をして焼く。火が通ったら蓋をはずし、たれの調味料をすべて加えて全体にからめ、トロッとなったら火を止める。

焼く
焼く

4仕上げる

器に青じそ適量(分量外)を敷いて③を盛り、卵黄を添える。好みで白胡麻と粉唐辛子をふっても。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。