
今年の夏は大変な暑さ。火を使って調理したくない、こってりしたものは食べたくない。そんな人にぴったりなのが、塩きゅうりのつまみ。皮をむいて塩をまぶすだけのシンプルなレシピなのに、ちょっとした下準備で、美しくて極上の美味しさが生まれます。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とコツを教えていただきました。
私は野菜のおつまみが大好きで、きゅうり1本でもあてにしてしまいます。
個人的にはそのままより、皮をむいたものが好きなんです。皮をむくと色がきれいな上、味を吸ってくれるからです。
タレをかけたりもしますが、みずみずしいきゅうりだったら、塩をまぶし、梅を合わせるだけで本当に美味。
シンプルですが、翡翠色に梅が映え、見た目も上品で家庭料理を洒落た一品にグレードアップしてくれます。
お酒はすっきりとした口当たりの梅酒を選びました。日本酒で醸したたおやかな甘味の梅酒がお薦めです。きゅうりの青々とした香りと合い、夏の蒸し暑さを吹き飛ばしてくれます。
きゅうり | 1本(100g) |
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塩 | ひとつまみ |
練り梅 | 少々 |
きゅうりはピーラーで皮をむいて、乱切りにする。塩をまぶし、10分ほど置いて、出てきた水気をきる。
器に盛り、梅をあしらう。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ