釣って、食べる。
ふんわり蒸した"甘鯛のヴァポーレきのこのスープ"

ふんわり蒸した"甘鯛のヴァポーレきのこのスープ"

ヴァポーレとは、蒸し料理という意味のイタリア語です。甘鯛をふっくらと蒸しあげて、きのこと合わせれば、秋を感じる極上の一品に。釣りあげたばかりの甘鯛の美味しさを生かしたレシピを、自由が丘のイタリアンレストラン「mondo」の宮木康彦シェフに習いました。

“甘鯛のヴァポーレきのこのスープ”をつくる

甘鯛の旬は秋から春にかけて。つまりは、いま食べるのに絶好の魚です!!繊細でふわふわの身が美味しい甘鯛は、割烹料理などでも使われる超高級魚として知られています。ちなみに甘鯛はその名に反して、タイ科ではないのだとか。さて、今回は、秋の旬ものであるきのこをソースとして使い、香り豊かに仕上げました。「魚ときのこの組み合わせに、動物性の脂(今回は豚のラルド)をプラスすると、味わいが豊かになるんです」と宮木シェフ。ほかの料理でも応用できる美味しいコツを、ぜひ試してみてください。

材料材料 (1人分)

甘鯛半身
★ きのこのスープ
・ しいたけ3個
・ 舞茸1/3株
・ チキンブイヨンスープ適量
豚のラルド1枚(背脂)
適量
オリーブオイル適量

1甘鯛を捌く

甘鯛は骨がしっかりした魚なので、中骨を抜くときは、尾っぽの方の中骨までしっかり抜くこと。魚は、手の温度だけでも身が焼けて劣化してしまうので、素早く作業し、しっかり冷やすこと。

甘鯛を捌く
流水を流しながら、脇腹までしっかり鱗を取る。
甘鯛を捌く
お腹に包丁を入れ切り開き、エラを掴んで内臓を取り出す。
甘鯛を捌く
内臓を取ったら、腹の中にある内膜も包丁で切り目を入れる。
甘鯛を捌く
歯ブラシなどを使い、残っている血や、背骨回りについている血合いもしっかり洗い流す。きれいになったらペーパータオルで水気をふき取る。
甘鯛を捌く
胸鰭(むなびれ)の後ろに斜めに包丁を入れ、頭を切り落とす。
甘鯛を捌く
お腹側から下し、中骨まで切り開く。
甘鯛を捌く
背側から下し、中骨まで切り開いたら、尾びれの付け根から包丁を入れて、完全に半身を切り離す。
甘鯛を捌く
腹骨をすく。
甘鯛を捌く
手で触って分かる中骨を優しく抜く。

2きのこのスープをつくる

きのこは食べやすい大きさにちぎる。舞茸など旨味が強いきのこを中心にお好きなきのこでOK。鍋にオリーブオイルを入れ、きのこを中火で炒める。きのこが焼きついてきたら火を弱め、きのこに汗をかかせる。全体的にしっとりとしてきたらチキンブイヨンスープを加え、塩で味を整える。

きのこのスープをつくる

3甘鯛を蒸す

甘鯛の両面に軽く塩を振り、皿の上にクッキングシート敷き、その上にのせる。皮面にオリーブオイルをまんべんなくかけたら蒸し器に入れる。1分半~2分経ち、6割ほど身に火が入ったら、一旦蒸し器から取り出す。このとき、鱗が残っていないか確認し、ある場合は取り除く。

甘鯛を蒸す
甘鯛を蒸す
甘鯛を蒸す

4甘鯛にさらに火を入れる

蒸し器から出したら裏返して、1分半~2分置く。置くことで熱が全体に周り、身がしっとりと仕上がる。さらに1分半~2分蒸し器に入れたら取り出す。

5仕上げる

器に②のきのこのスープを入れたら、火入れした④の甘鯛をのせ、上から豚のラルドをかける。仕上げにオリーブオイルをひと回ししたら、完成。

完成
「ボリューム感のあるロゼなど、少し濃度が高めのワインが好相性」とソムリエの田村さん。

自由が丘のイタリアンレストラン「mondo」

宮木康彦シェフ
「mondo」の宮木康彦シェフ。「青山アクアパッツァ」やイタリアでの修業を経て、2008年に同店をオープン。
入口
自由が丘の住宅街に現れる美しい緑を抜けると「mondo」の入口が。
店内
一軒家の店内は、天井が高く伸びやか。席数は10で、ソムリエの田村理宏さんのセレクトするワインと音楽も絶品。メニューはコースのみで、ランチ6,600円、ディナー1万3,200円。要予約。

文:小林真理 撮影:岡本寿

店舗情報店舗情報

mondo
  • 【住所】東京都目黒区自由が丘3‐13‐11
  • 【電話番号】03‐3725‐6292
  • 【営業時間】11:30~13:00(L.O.)/18:00~21:00(L.O.)
  • 【定休日】水曜、第1・3木曜
  • 【アクセス】東急東横線・大井町線「自由が丘」駅正面口より徒歩8分