ヴァポーレとは、蒸し料理という意味のイタリア語です。甘鯛をふっくらと蒸しあげて、きのこと合わせれば、秋を感じる極上の一品に。釣りあげたばかりの甘鯛の美味しさを生かしたレシピを、自由が丘のイタリアンレストラン「mondo」の宮木康彦シェフに習いました。
甘鯛の旬は秋から春にかけて。つまりは、いま食べるのに絶好の魚です!!繊細でふわふわの身が美味しい甘鯛は、割烹料理などでも使われる超高級魚として知られています。ちなみに甘鯛はその名に反して、タイ科ではないのだとか。さて、今回は、秋の旬ものであるきのこをソースとして使い、香り豊かに仕上げました。「魚ときのこの組み合わせに、動物性の脂(今回は豚のラルド)をプラスすると、味わいが豊かになるんです」と宮木シェフ。ほかの料理でも応用できる美味しいコツを、ぜひ試してみてください。
甘鯛 | 半身 |
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★ きのこのスープ | |
・ しいたけ | 3個 |
・ 舞茸 | 1/3株 |
・ チキンブイヨンスープ | 適量 |
豚のラルド | 1枚(背脂) |
塩 | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
甘鯛は骨がしっかりした魚なので、中骨を抜くときは、尾っぽの方の中骨までしっかり抜くこと。魚は、手の温度だけでも身が焼けて劣化してしまうので、素早く作業し、しっかり冷やすこと。
きのこは食べやすい大きさにちぎる。舞茸など旨味が強いきのこを中心にお好きなきのこでOK。鍋にオリーブオイルを入れ、きのこを中火で炒める。きのこが焼きついてきたら火を弱め、きのこに汗をかかせる。全体的にしっとりとしてきたらチキンブイヨンスープを加え、塩で味を整える。
甘鯛の両面に軽く塩を振り、皿の上にクッキングシート敷き、その上にのせる。皮面にオリーブオイルをまんべんなくかけたら蒸し器に入れる。1分半~2分経ち、6割ほど身に火が入ったら、一旦蒸し器から取り出す。このとき、鱗が残っていないか確認し、ある場合は取り除く。
蒸し器から出したら裏返して、1分半~2分置く。置くことで熱が全体に周り、身がしっとりと仕上がる。さらに1分半~2分蒸し器に入れたら取り出す。
器に②のきのこのスープを入れたら、火入れした④の甘鯛をのせ、上から豚のラルドをかける。仕上げにオリーブオイルをひと回ししたら、完成。
文:小林真理 撮影:岡本寿