乾物の代表格である高野豆腐と椎茸を、甘めのだしでそれぞれ煮含ませます。高野豆腐ははんなり薄味に、椎茸はしっかり味を入れ、しみじみ美味しいひと皿です。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。
高野豆腐、干し椎茸ともゆっくりもどすことがポイントです。高野豆腐ははんなり薄味に、椎茸はしっかり味に。両方とも煮てからそのまま冷まし、味を中までしみ込ませます。
★ [高野豆腐の含め煮] | |
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・ 高野豆腐 | 4枚 |
・ だし汁 | 3カップ |
・ 調味料 | |
├ 味醂 | 大さじ3 |
├ 砂糖 | 大さじ3 |
├ 醤油 | 小さじ1 |
└ 塩 | 小さじ1/2 |
小松菜 | 150g |
小松菜をゆでる塩 | 少々 |
★ [椎茸の含め煮] | |
・ 干し椎茸 | 中12個(もどして250g)(冬どん菇こ) |
・ もどし汁とだし汁 | 計2カップ |
・ 調味料 | |
├ 酒 | 大さじ4 |
├ 味醂 | 大さじ2 |
└ 醤油 | 大さじ2 |
高野豆腐は大きめのバットに入れて60℃ぐらいの湯を注ぎ、浮かないように、小さい軽いまな板や木の蓋、または皿をのせて湯が冷めるまでおいてもどす。
ボウルにをたっぷりの水を入れて手ではさみながら洗う。
両手ではさんで水気を絞り、4等分に切る。
干し椎茸はボウルに入れて水を注ぎ、軽く重しをして冷蔵庫に一晩おいてもどす。
軽く水気を絞って軸を切り落とす。
かさの表面に浅く切り目を入れる。
大きな鍋にだし汁を煮立て、調味料で調味し、高野豆腐を入れて落とし蓋をし、さらに蓋をして弱火で15~20分煮含める。
小松菜は洗って塩を入れた熱湯に入れてゆで、冷水にとって冷まして水気を絞り、長さ3~4cmに切る。高野豆腐を端に寄せ、小松菜を入れてひと煮する。
鍋に椎茸、もどし汁、だし汁を入れて中火にかけ、煮立ってきたら醤油以外の調味料を加える。再び煮立ってきたら、落とし蓋をしてさらに蓋をして弱火で10~15分煮る。
醤油を加えて混ぜ、煮立ってきたら落とし蓋をしてさらに蓋をして弱火で10~15分煮含める。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の は」に掲載したものです。
文:中村裕子 写真:松本祥孝