じゃがいもでつくるニョッキはむっちりとした食感と、じゃがいも自体の甘味が魅力です。さらに濃厚なクリームを合わせると、たまらない美味しさ。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
山本美文さんの白漆のオーバル皿には、どうにも白い料理を盛りたくなってしまいます。うっすらと木地が透けて見えるマットな白漆に、じゃがいものニョッキとモッツァレラクリームのソース。白のグラデーションが美しいひと皿になりました。ニョッキは小麦粉を入れることで形をつくりやすくなりますが、入れすぎると食感が悪くなるし、じゃがいもの風味が負けてしまう。そのバランスが難しいけれど、こちらはソースなしでもおいしいくらいの自慢のレシピです。季節の果物と野菜をビネガーとオリーブオイルで和えたシンプルなサラダを添えれば、おもてなしにもぴったりですよ。
じゃがいも | 500g(秋以降の熟成したものがおすすめ) |
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卵黄 | 2個分 |
小麦粉 | 150~300g(細挽き/または普通の薄力粉(*)) |
打ち粉用の強力粉 | 適量 |
A | |
・ EXV.オリーブオイル | 80ml |
・ パルミジャーノ・レッジャーノ | 20g(すりおろし) |
・ 塩 | 適量 |
・ 胡椒 | 適量 |
・ メース | 適量(ナツメグでも可) |
*粉とじゃがいもの水分量によって調整する。
じゃがいもは皮ごと水からゆで、熱いうちに皮をむいてボウルなどに入れてつぶす。卵黄を加えて混ぜ、なじんだらAを加え、カードで切るように混ぜ込む。
小麦粉をふるいながら1に入れ、均等になるまでよく混ぜる。手とカ ードでひとつにまとめる。
2を台に取り出し、打ち粉をふってやや太めの棒状にする。それを長さ5cmに切り、それぞれを1cm径の棒状にのばしてから幅1cmに切り分ける。
3のそれぞれにフォークを軽く押し付け、スジをつける。この状態で冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1ヶ月間、保存可能。
じゃがいもニョッキ | 160g |
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にんにく | 1片 |
生クリーム(脂肪分35~38%) | 100ml |
モッツァレラチーズ | 1個 |
塩 | 適量 |
にんにくは皮をむいて軽くつぶす。モッツァレラチーズはザルにあげて水気をきっておく。
フライパンに1のにんにくと生クリームを入れ、中火にかける。沸騰したら弱火にし、軽く煮詰めて、塩で味をととのえる。
大きな鍋に湯をたっぷり沸かし、ニョッキを入れてゆでる。浮き上がってきたらザルにあげて、水気をしっかりきる。
モッツァレラチーズを手で裂き、2のフライパンに加えて、中火にかける。チーズが溶けてきたら火を止め、3のニョッキを入れて和える。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
この記事は技あり!「四季dancyu 秋のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤達也